横田基地へ配備のCV-22オスプレイ もっと知りたい詳細情報

横田基地に配備されたCV-22オスプレイの詳細情報を満載
横田基地
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横田基地のCV-22オスプレイ

米軍の横田基地へ配備されているCV-22 オスプレイ

メディアでたびたび話題になるオスプレイを深掘り。実際に見て触ったライブ感のあるオスプレイの詳細情報を調査報告。

横田基地のオスプレイ、何してる?

オスプレイは輸送機なので人員・荷物を輸送するのが仕事です。

横田基地のオスプレイは特殊作戦コマンドに所属して偵察や情報収集、人質救出などの任務を遂行する米軍特殊作戦部隊を迅速に輸送する任務です。

駐機している横田基地に配備されたCV-22オスプレイ

ですが、いつもは訓練をしています。

横田基地の周囲を飛び回ったり、演習場にいったりしてます。すごい高さのオスプレイからパラシュートジャンプする訓練もしています。

高高度のオスプレイからパラシュート降下訓練するアメリカ軍

高高度のオスプレイからパラシュート降下訓練

人員・荷物を輸送する任務で三沢基地・岩国基地・嘉手納基地など米軍基地へお出かけ。行ったり来たりもしてます。

オスプレイに関する防衛省からの情報は北関東防衛局のオスプレイ関連に掲載されます。

横田基地のオスプレイ、何機いる?

オスプレイは9機!

横田基地に配備予定の CV-22B オスプレイは 10 機ですが、現在は 9機のオスプレイが配備されています。

横田基地に到着するオスプレイたち

横田基地にオスプレイがはじめて配備されたのは 2018年4月5日、横浜ノースドックから5機で飛来してきました。

その後、2021年7月に1機、2022年6月に3機が配備されて現在、横田基地には 9機のオスプレイが配備されています。

CV-22 オスプレイ 機体番号の一覧

横田基地に配備されている CV-22B オスプレイの機体の一覧

機体番号 Mode-S 配備年
13-0069 AE5723 2018年4月5日
14-0075 AE61AD 2018年4月5日
13-0067 AE5721 2018年4月5日
14-0074 AE5728 2018年4月5日
14-0071 AE5725 2018年4月5日
09-0046 AE4ECD 2021年7月6日
08-0051 AE5407 2022年6月7日
10-0054 AE4EED 2022年6月8日
12-0066 2022年6月8日

横田基地のオスプレイ、見れる?

見れます。

オスプレイを見る3つの方法を紹介すます。近くで見れる順番だと
①年に一回の日米友好祭
②横田基地の飛行訓練
③フライトレーダー

となります。

横田基地友好祭で見る

オスプレイは毎年、開催される横田基地友好祭に登場します。

2018年の横田基地友好祭からオスプレイが様々な形態で飛行するデモフライトで機動性の一端を見ることができます。

会場の前をあちこち飛び回ってくれるので写真を撮り放題です。

縦横無尽にフライトするオスプレイが観客にペコリとお辞儀をする愛嬌のある姿がカワイイです。

友好祭の飛行展示でペコリとお辞儀する愛嬌のある姿を見せたCV-22Bオスプレイ

地上展示でオスプレイの中にも入れます。毎年、大人気で行列ができて数時間待ちになることも!?

横田基地友好祭でデモ飛行するオスプレイ

目の前に飛んでいるのに世間が言うほどうるさくない!?

訓練中のオスプレイを見る

今すぐ見たい!航空祭まで待てないという方は横田基地の外周から訓練をしているオスプレイをタイミングがあえば見ることができます。

横田基地のオスプレイは日々、トレーニングを行っていまのでその様子を外周から見守ることができます。撮影には400 mmほどの望遠レンズがあるとデカく写しだすことができます。

静かに飛んでいくことも多いですが、ブゥゥゥーンという独特な重低音が聞こえたらオスプレイです。

たまに門限を破りますが基本的に夜 22:00 〜 朝 6:00までは飛びません。

フライトレーダーでオスプレイを見る

手軽に見るならフライトレーダー。
フライトレーダーに映るオスプレイがいるのでスマホでどこを飛んでいるのがを見ることも可能です。

オスプレイをフライトレーダーで見る取説をご用意したのでご覧ください。

オスプレイをフライトレーダーで追跡する
オスプレイをフライトレーダーで追跡! たくさんの航空機が表示されるフライトレーダーでオスプレイだけを表示する方法を紹介

横田基地のオスプレイ、触れる?

遠くから見てるだけじゃ物足りないあなたには横田基地のフレンドシップデーがおすすめ。

オスプレイが地上展示されます。しかもロープなしでおさわりもOKです。

危険な乗り物のイメージとは裏腹に大人気のオスプレイはアイドル並みの大行列です。機内に入れるまで1時間以上並ぶこともあります。

ようやく乗り込んだオスプレイの機内公開ではコクピットや貨物室を自由にみることができます。空兵たちも気軽に記念撮影に応じてくれますのでバシャバシャ撮っておきましょう!

ようやく乗り込んだオスプレイの機内は自由に撮影できます。レアな機会なのでバシャバシャ撮っておきましょう。(撮影禁止のときは厳守!
横田基地友好祭で一般公開されたCV-22Bオスプレイに群がるたくさんのギャラリー

オスプレイの武器

丸腰です。

オスプレイは人員・荷物を輸送するのがお仕事。戦闘機や攻撃ヘリと違って基本的には非武装です。

ただ敵地で輸送任務を行うときは丸腰とはいかないので後部ランプに武装できるオプションがあります。

友好祭のときには自衛用の銃架(ドアガン)をつけて公開されますが、これはオスプレイの日常スタイルでありません。エアマン流のサービスです。

オスプレイの後部ハッチに装着されたドアガン

オスプレイの飛び方

オスプレイは飛行機でもヘリコプターでもない航空機。ローターを傾ける(ティルト)ことができるティルトローター機と呼ばれる航空機です。

ブレードの位置で騒音が全然違うオスプレイの3パターンの飛び方を解説します。

固定翼モード

固定翼モードはブレードを前に倒した状態で飛行機(=固定翼)のように飛びます。
時速500kmの速度で飛行することができます。

固定翼モードの騒音は気がつかないほど静か。

固定翼モードはこのように(飛んでないけど)ブレードが正面を向いている状態です。

固定翼モードでブレードを正面に向けているCV-22Bオスプレイ

転換モード

固定翼~垂直離着陸に代わるときにブレードの状態が斜めの状態が転換モードです。転換モードは基地から離陸したあと、または着陸する前の飛行モードです。

転換モード騒音はややレベル。

普通のヘリコプターのほうがうるさいです。

転換モードで飛行する横田基地のCV-22Bオスプレイ

垂直離着陸モード

垂直離着陸モード ヘリコプターのようにローターが上にあがった状態のモードです。ホバリングや垂直離着陸が可能です。

独特な飛行音でうるさい

オスプレイの騒音問題といわれているには垂直離着陸モードのときだけ。離着陸する基地周辺以外ではオスプレイは静かな航空機です。

垂直離着陸モードで飛行する横田基地のCV-22Bオスプレイ

オスプレイの特徴

速く・遠く・どこにでも輸送できるのがオスプレイの特徴です。

オスプレイは垂直離着陸ができるので滑走路がない場所でも離着陸が可能。
オスプレイは場所を選びません。

それだけだとふつーのヘリと変わらないですが固定翼モードで飛行すると飛行機並みの時速 500 kmの速さで飛行できます。

航続距離も長く、空中給油を行えば 3600 kmもの距離を飛行できます。

もっと知りたいマニアなオスプレイ

アメリカ軍の軍用機に興味のあるひと向けのマニアックな誰得情報をお届け。

CVって何?

オスプレイの型式はCV-22B。

アメリカ軍の軍用機は用途によって、戦闘機はF(=Figher)、爆撃機はB(=Bomber)のように頭レターがついています。型式のアルファベットには意味があります。

オスプレイの CV とは…。

Cargo - VTOL

空軍のオスプレイは輸送機の Cargo と垂直離着陸機の VTOL で CV なのです。

※ 海兵隊のオスプレイは多目的機 (=Multi-Mission) なので MV

オスプレイの部隊

横田基地に配備されているオスプレイは、第353特殊作戦コマンド(嘉手納基地)の指揮下にあります。

2019年より第 21 特殊作戦中隊ならびに第 753 特殊作戦航空機整備中隊として運用を開始しました。

第21特殊作戦中隊 (21ST SOS)

第21特殊作戦中隊は CV-22B オスプレイを運用して特殊作戦を実施する部隊。ニックネームはDUST DEVILS(ダストデビルズ)

潜入支援や対テロ作戦、偵察、監視、戦闘捜索救難の実施および補給任務など特殊な任務をこなします。

スコードロンマークは「旋風」
オスプレイを見学した時にもらったパッチは宝物です。

第753特殊作戦航空機整備中隊 (753 SOAMXS)

第753特殊作戦航空機整備中隊は、オスプレイのメンテナンスを実施する部隊。CV-22 オスプレイを維持しています。

スコードロンマークは…。なんだろ?オスプレイをメンテナンスする兜カニ?

第353特殊作戦コマンドとは?

特殊作戦コマンドと聞くと危険な秘密なミッションを実行している部隊の感じがします。

実際は、災害時など特殊な状況になったときに活躍する部隊です。

東日本大震災では被災して滑走路が使えなくなった仙台空港に特殊作戦機で着陸して機材を持ち込み、物資輸送が可能になるように仙台空港の機能を復旧してくれた部隊が第353特殊作戦群です。

オスプレイのコールサイン

航空機にはコールサインがあります。

横田基地のCV-22BオスプレイはKNIFE(ナイフ)というコールサインでフライトしています。

航空無線の横田アプローチで「Knife」と聴こえたらオスプレイです。他のコールサインとしてBIKER(バイカー)とコールされるときもあります。

オスプレイのラインナップ

オスプレイには、配備されている部隊によっていくつかの種類があります。機体ベースは同じですがそれぞれの仕様にあわせた装備品の違いがあります。

横田基地に配備されているオスプレイは空軍仕様の CV-22B です。

種類 仕様 説明
MV-22 海兵隊仕様 ベーシックな仕様
CV-22 空軍仕様 特殊作戦仕様。
敵地に潜入・脱出するための装備を搭載
V-22 陸自仕様 陸自救護セット・担架、陸自無線機、衛星通信アンテナを搭載
CMV-22 海軍仕様 燃料タンクを増設して航続距離を延長

横田基地に初飛来したオスプレイ

横田基地に初めて飛来したオスプレイは海兵隊の MV-22です。

オスプレイが東京に初飛来したのが2014年7月19日

岩国基地から MV-22 オスプレイが第28回札幌航空ページェント(北海道)に参加するための横田基地に給油で立ち寄りました。

オスプレイをみたいギャラリー、マスコミがおしよせて警察も警備にあたるほど横田基地の外周が湧き上がりました。

MV-22オスプレイ、北海道の帰り道にもお立ち寄り

横田基地にオスプレイが二日ぶり二度目の飛来

札幌航空ページェントの地上展示にいった MV-22オスプレイ 2機は帰りにも横田基地にお立ち寄り。外周はマスコミの車で大混雑して迷惑でした。

札幌からたったの2時間、横田基地に新型輸送機オスプレイが給油でお立ち寄り
札幌航空ページェントで地上展示された米海兵隊の新型輸送機オスプレイ(MV-22)が給油のために横田基地にお立ち寄り。目新しい軍用機に航空ファンもマスコミも横田基地に殺到!オスプレイの離陸を撮影

オスプレイの機内

横田基地へ招待してもらったときに撮影したオスプレイのコックピット。近代的なコクピットで視界も広かったです。オスプレイのコックピットを貸し切りで撮影できる激レアな体験でした。

近代的オスプレイのコックピットは窓も広く視界がいい

オスプレイの貨物室

CH-47チヌークと比べると狭かった貨物室。大きな荷物は運べません。

それでも人員は24人乗れるそうです。

CV-22Bオスプレイの貨物室は配管が向きだしでCH-47に比べるとかなり狭い

オスプレイの装備

CV-22オスプレイはベーシックなオスプレイの装備の他に特殊作戦を遂行するために様々な自衛装備を搭載しています。

❶ APQ-186 マルチモードレーダー

地形追従・地形回避レーダー・気象レーダーを兼ねているマルチなレーダー。低高度での地形追従機能が高まっています。

❷ 空中給油プローブ

ビューンと伸びて空中給油が可能。

KC-46AやMC-130Hなどから空中給油を受けることで約3,900kmを飛行可能横田基地に配備のCV-22オスプレイの機首下部にある空中給油プローブ

❸ AN/AAR-54 ミサイル警報装置

機首と尾部に取り付けられているミサイル警報装置。
全周方向のレーダー波・レーザー波・レーザー光の照射を警戒します。

オスプレイの機体前後にあるAN/AAR-54 ミサイル警報装置

❹ AN/AAQ-16 FLIR

夜間飛行用の赤外線センサー。ナイトゴーグルを装着することで夜間でも有視界飛行が可能なようです。

横田基地に配備のCV-22オスプレイの機首下部にある夜間飛行用の赤外線センサーAN/AAQ-16

❺ AN/ALQ-211 統合型無線周波数対抗手段装置(SIRFC)

各システムが連動してレーダー範囲の表示・回避ルートの指示、脅威発信源に自動ジャミング

AN/AAQ-24 指向性赤外線妨害装置

赤外線誘導ミサイルからの自機を防御する。
赤外線誘導ミサイルの赤外線シーカーに向けレーザー照射を行い目標をロストさせからの脅威を取り除きます。

横田基地に配備のCV-22オスプレイのAN/AAQ-24 指向性赤外線妨害装置

CV-22オスプレイの性能

アメリカ空軍の CV-22 ファクトシートからオスプレイの性能を確認します。

航続距離 1,627 km
最高巡航速度 280 knots(518.56 km)
乗員 4 名(パイロット、コパイロット、フライトエンジニア x2)
搭載人員 24名(シート)/ 32名(フロア)
戦闘半径 500 海里(926 km)
ペイロード 1000ポンド(= 約 453.59 kg)
武装 50 口径機関銃 1 丁(作戦時)

※ 戦闘半径とは?

基地から飛び立ったオスプレイが、任務を達成して同じ基地に帰還できる距離。 兵装や人員を搭載した状況を想定した実運用できる近い距離。

CV-22オスプレイ 北関東防衛局からの情報提供

横田基地に配備されているCV-22オスプレイについては、北関東防衛局サイトの「オスプレイ関連」で情報が提供されています。

横田基地の騒音を測定しているポイント

北関東防衛局は横田飛行場周辺の航空機騒音状況を公開しています。横田基地の騒音を測定しているポイントをピンで一覧にしてみました。

騒音を測定しているポイントはすべて航空機の離着陸ルート上。建物を建てればうるさくて当然です。

横田基地周辺の騒音測定の場所一覧 - Google マイマップ
横田基地の騒音を測定している自動騒音測定装置を設置してい場所のピン。滑走路の延長線上に設定していますので航空機が真上を通るルートに家を建てれば「うるさくて当然」です。

 

米空軍CV-22オスプレイの飛行再開

米空軍のCV-22オスプレイが2022年8月16日に地上待機措置がとられました。

これは、空軍CV-22オスプレイの運用の特性から飛行運用手順・HCEのシミュレーション訓練、機体整備を再徹底するための措置。(※ 海兵隊 MV-22 、海軍 CMV-22、陸自 V-22は飛行継続)

米空軍のCV-22は、米軍特殊作戦部隊の任務である偵察や情報収集、人質救出などの機動的な作戦が求められるために、より安全な評価が行われました。

2022年9月2日に米空軍 CV-22の地上待機措置が解除されたことで横田基地に配備されているCV-22オスプレイも運用再開されました。

あきる野市:米空軍CV-22オスプレイの飛行再開等について

※ HCE (ハード・クラッチ・エンゲージメント)とは?

プロペラとエンジンをつなぐクラッチが離れて、再結合するときに衝撃が発する現象

横田基地に配備されたオスプレイのあとがき

残念なことにグーグル検索で「横田基地 オスプレイ 配備」で検索すると市町村サイトのネガティブな記事で溢れています。

このブログ記事は、横田基地とオスプレイが悪い印象で染まることがないようにグーグル検索ですこしでも上位に表示することを意識した記事にしました。

ネットの情報ではなく、横田基地の内外でオスプレイを見て・撮影した多くの情報を載せてたライブ感のある記事と写真を載せています。