雨水貯留施設 呑龍トンネル(地下トンネル)
土木学会関西支部と京都府が企画した土木見学会に参加した。土木見学したのは「いろは呑龍トンネル」乙訓ポンプ場。
のむりゅうじゃなくて「どんりゅう」
水を呑む込む龍をイメージして呑龍トンネルと名付けたようだ。
呑龍トンネルとは寺戸川流域の浸水被害を軽減するために地下に設置された雨水貯留施設(地下トンネル)で「ハイブリッド式親子シールドによる長距離掘進」という面白い掘り方をしているシールドトンネルだ。一部はすでに稼働していて浸水被害を激減させる効果がでている。
地下トンネルを見学
呑龍トンネルは地下トンネル。カワイイ龍のイラストの扉が入口。
階段室の途中から立坑を見下ろした図。うっひょーたっけーぜ。
ここはシールドマシンの発進立坑、シールドマシンを組み立ててトンネル掘削のスタート地点。
ちなみに到着立坑はもっと深いそうだ。
下から見上げたダイナミックな光景。
左側に見える黒い配管が地下に貯水した水を汲み上げるための配管。
ちょっと見えにくいけど写真のど真ん中にあるプレート(階段のとこだ)が満水水位でそこまで水を溜めることができる。水がたまった絵を想像するとちょっとこええ。
呑龍トンネル の入口。シールドマシンの掘削外径は6,810mmで掘削延長は3,993m。
地下シールドトンネル
シールドトンネルというとまっすぐな直線をイメージするんだけど呑龍トンネルは曲がりまくり。
曲がっているワケは道路の下にシールドトンネルを掘っているから。やっぱり民家の下は掘れないそうだ。カーブがキツくなるとセグメントの幅がせまくなる。
セグメントってのはシールドトンネルの壁のことで呑龍トンネルはRC(コンクリート)セグメントを使っている。
直線部分のセグメントと比べるとリングの幅が違う。
曲線の部分は幅狭のセグメントを使ってカーブをつけていく。これだけ狭いセグメントだと一日あたりの掘進距離はごく僅かだそうだ。
珍しい光景にみんな写真撮りに余念がない。
そんな中、一番余念がなかったのがオレ。
最後尾でノロノロしてたんだけど現場のスタッフさんもしょーがねーなーって感じで待っていてくれた。どうもありがとう。
地盤改良して凍らせてから掘った穴。
手前の女性スタッフの左手にあるコンクリートの壁は土砂を塞き止める役目。
水が流入すると土砂も一緒に入ってくるのでここで土砂は塞き止めるのだ。
乙訓ポンプ場立坑の満管水位がココ
立坑の様子は監視カメラでモニタ。
この立坑内監視カメラの映像はインターネットでリアルタイム映像がみれます。
地上で立坑の上から覗き込むと…。
オレのシルエットが地底に見えた。
たまった水を汲み上げる川がすぐ脇を流れている。
意外と水量が多いけど放流するときはちゃんと確認してからするから安心。
スタッフ一問一答
- なぜもう水がたまっているのだ?
- 天井を見てくれ。雨が降ると隙間から立坑に水がたまるのだ。
- 満水になるとどうなるのだ?
- ゲートをしめて雨水が流入しないようにする。
- 満水にならないようにポンプを動かして排水をしないのか?
- しない。河川に状況をみて安全に排水するためだ。
- 満水になったことはあるか?
- ない。2010年に83%まで貯留した。
- 泥は貯まらないのか?
- たまる。コンクリートの壁で土砂を塞き止めて取り除く。