ハイパーレスキュー隊の消防救助機動車をまるごと見学
ハイパーレスキュー隊の消防救助機動車をおとなの社会見学してきた。
東京消防庁の第八本部消防救助機動部隊の訓練場で開催された『立川消防フェア2012』でハイパーレスキュー隊に配備されている車両をまるごと一般公開。
消防フェアとは春の火災予防運動に合わせて消防や防災に関する展示を行い意識の啓発を図ってもらうイベント。
消防服を着て消防車と一緒に写真が撮れたり、はしご車に乗ってビルより高いところにあがったり、消防士さんのお仕事を間近で感じることができる子どもに人気のイベント
おとなの社会見学としてハイパーレスキュー隊のレアな消防車とハイパーレスキュー隊・立川消防署・航空隊・消防団の一斉消防演技披露を体験してきました。
立川消防フェア2012
消防フェア2012は午前中だけの開催。
会場の第八本部消防救助機動部隊の訓練場に朝イチで向かいます。
はしご車体験の整理券にみんなが並んでいるうちにハイパーレスキューの車輛を撮影!
子ども達に人気の「はしご車体験の整理券」は9:30から配布されて9:40には終了したとか!?
ハイパーレスキュー隊の車輛①
ハイパーレスキュー隊の車輛を見分ける簡単な方法が扉についているシンボルマーク。
救助隊の車両にはセントバーナード犬の『バリィ号』が扉の側面についています。ゴールドの裏地に重機を示すフック付ワイヤーがハイパーレスキュー隊のマークです。
救助車(III型)
救助車(III型)は、阪神・淡路大震災後に設定された震災対応救助車両。
油圧ウインチを装備しているが特徴で他にも発電装置・昇降式照明装置など高度救助資機材を積載した救助車
側面の白いマークはツバメが飛ぶ姿をデザインしたもので、救助を求める人のもとへ素早く駆けつける意味のほか「必ず帰る」という思いが込められています。
10t水槽車
水のないところで消防車輛をサポートする10t水槽車。
10,000Lのステンレス製水槽を備えて、近くに消火栓等がない現場や山間部・高速道路上での火災や、災害時の消火用水を搬送する。車体上部には放水銃も搭載して自ら放水もできます。
無人走行放水装備 デュアルファイタードラゴン
デュアルファイタードラゴンは無人走行放水装備。東日本震災のとき千葉県市原市のタンク火災で活躍したのが無人走行放水装備ドラゴン。
消防隊員が近づけないような大規模な火災や爆発の危険のあるところなどでも消火に行ってくれる放水ロボット。自ら自分に水をかけて熱から守る自己冷却機能も付いています。
デュアルファイターは2台1組。
無人走行放水車のドラゴンは障害物除去車のセーバーとチームで活動します。
無線で操縦できるのはもちろん、前部のカメラの映像をモニタして遠隔からでも操作可能。
屈折放水塔車
高所や危険物火災など消防隊が近づけない火災現場で活躍する屈折放水塔車は高所から安全に放水することができます。
福島原発で核燃料貯蔵プールに海水をかけて冷却した勇敢な車両が東京消防庁の屈折放水塔車(森田式スクアート車)です。

ブームの先端部分にある黄色いのは破壊装置。窓や壁が放水を邪魔しているときに障害を破壊して内部へ放水するための装置。
屈折装置はブーム下のオペレーターデスクで操作をする。
ガスボンベの爆発実験
鍋でよく使う家庭用のカセットコンロを使って実際に起こった事故。
加熱したIH電熱プレートの上に置きっぱなしにしたり、カセットコンロを二つ並べて加熱など、考えただけでやばそうだけど実際にあったケースを再現。
火が出た!?(左)と思った瞬間にカセットコンロが業火に包まれた(右)!!!
マジでやばい!
カセットコンロの禁止事項はコレ
- 加熱したIH電熱プレートの上に置きっぱなし
- カセットコンロを二つ並べて加熱
昭和第一学園高校吹奏楽部の演奏
カセットコントの爆発実験で度肝を抜かれたあとは昭和第一学園高校吹奏楽部の演奏で心穏やかに。
ハイパーレスキュー隊の車輛②
火災現場まで長距離でも大量に送水することが可能な車両が遠距離大量送水車(スーパーポンパー)。スーパーポンパーは遠距離大量送水車とホース延長車のチームで活動する。
遠距離大量送水車(SUPER PUMPER1)
ホースの距離を伸ばすと水の勢いが弱まって放水のとこがチョロチョロとなってしまう。遠距離大量送水車(PS1)は火災現場まで最大で毎分 8,000L を揚水することが可能な車両。
無限水利ポイント(海・河川)から油圧駆動の水中ポンプで 2km 先まで送水が可能。コンビナート火災など大量の送水が必要なときやゲリラ豪雨で排水が必要なときに活躍する。
ホース延長車(SUPER PUMPER2)
遠距離の送水に必要な大口径150mmホースを延長する車両。
ホースがたんまり入っている大口径150mmホースはホース回収装置(HRU-200)で回収する。
ハイパーレスキュー隊にFAQ
いつものようにハイパーレスキュー隊にレアな質問をしまくってきました。くだらない質問にもしっかりと答えてくれた。
- ハイパーレスキュー隊は選ばれてなるのか?
- 本人の希望もあるが、部隊の推薦で選ばれることも多い。
- 第八消防方面本部の任務は何だ?
- 第八消防方面本部は、震災対応部隊だ。ただし震災に限らず様々な災害対応をしている。
- 消火活動もするということか?
- もちろんだ。ハイパーレスキューの任務以外もしている。
- 今日は、早番か?
- いや。8:30から翌8:40までの24時間勤務になる。10分は申し送りの時間だ。
- ハイパーレスキュー隊と消防隊の違いとは何だ?
- 部隊で任務を完遂できる自己完結型だ。道がなければ重機で除去をして救急をする。常に幅広い知識と能力を高める努力をしている。
- 重機を扱うための免許はあるのか?
- もちろんだ。(ガサゴソ)免許がひとつにまとまらないのでかさばっている。(分厚い財布には免許の束!!)
ハイパーレスキュー隊のなにが凄かったって免許の数 !!
特殊な免許だらけだと思っていたら玉掛け、牽引など意外と身近!?な免許まで持っている様々な技能・技術をマスターしているハイパーな男達がハイパーレスキュー隊。
ひとつひとつの受け答えにハイパーレスキュー隊としての誇りと使命感をもっているのが感じ取れた。
質問に答えてくれながら子どもが危ないことしている瞬時にすっ飛んでいく鋭い観察眼。さすがだ!
ハイパーレスキューだけが凄いんじゃないです。
消防士もレスキュー隊も救急隊もみんな同じです。
という言葉が印象的でした。
起震車体験コーナー
起震車体験コーナーに東京消防庁の起震車(Y17149)が登場。起震車は身体防護訓練等の訓練に使用する車両で、地震発生時の状況を体感することができる車両で防災イベントには欠かせない車両。
地震体験は多くの人が参加していた。
立川消防のはしご車
立川消防署の消防隊員が消防演技に向けてはしご車を準備中。
東京消防庁の航空隊
立川飛行場内には東京消防庁航空隊の基地もあります。
東京消防庁航空隊は消防ヘリコプター8機を運航して救急・救助・消火・収集などをヘリコプターから行う空の消防。抜群の機動力で山岳から水難救助、島しょ地域まで広域に渡って威力を発揮しています。
大型ヘリコプター ひばり
東京消防庁航空隊の消防ヘリには鳥の名前がつけられています。
機体番号も119を付けているヘリコプターが多いです。
東京消防庁航空隊の救急救命士のワッペン
救急救命士パラメディックのワッペン。
東京消防庁の救急隊は、救急隊長・救急員のうち最低1名は救急救命士免許(国家資格)を取得している隊員が乗務して高度な救急処置を実施できる体制を確保しています。
消防ヘリにも救急救命士パラメディックが乗務しているそうです。救急救命士は医師の指示のもと薬剤の投与・器具の使用が行えます。
航空隊にFAQ
いつものように、レアな質問をしまくってきました。
快く答えてくれた航空隊の隊員さんどうもありがとう。
- 消防ヘリコプター(ひばり)はどのくらい飛べるのだ?
- 1,000km飛行できる。
- 東京消防庁航空隊の活動範囲は東京だけなのか?
- いや違う。要請があればどこへでもいく。サミットの時は沖縄や北海道でも活動した。
- 消防ヘリコプターは夜間でも飛ぶことができるのか?
- 飛ぶ。レーダーも搭載しているが基本的には有視界飛行だ。
- テレビで見たことはあるが山岳救助も行うのか?
- 要請があれば出動する。ヘリコプターは機動力があるために先着して救助を行うことが多い。
- 救助のときにワイヤーはどのくらいまで伸ばせるのだ?
- 90〜100mだ。ただ風で流されたりするから実際には30mくらいだ。現場の状況によって判断している。
- 訓練はどこでしているのだ?
- ここだ。自衛隊にスペースを借りている。自衛隊のスペースは飛行訓練に周囲への許可がいらないのだ。
- 航空隊は専門集団なのか?
- パイロットだけ専門だ。ハイパーレスキュー隊へ応援を要請することもあるが応援に行くことはない。