K.E.Kの夏の一般公開、メタリックな加速器見学。Belle測定器がスゴかった

おとなの社会見学

高エネルギー加速器研究機構(K.E.K)の夏の一般公開

毎年この時期に開催される高エネルギー加速器研究機構(K.E.K)の夏の一般公開。
K.E.Kとは、加速器という巨大装置を使って研究している機関でノーベル物理学賞を受賞する日本人は大体ここで研究を行っている。

KEKの一般公開は、ほとんどの研究施設を丸ごと見せてくれる。それも手が届くような近さでギラリと輝く近未来的な装置が見れる。機密だから撮影禁止!なんてしょっぱいことはなしで写真撮り放題なのがうれしい。

子どもが楽しめる実験、マニア向けのサイエンスな講演、被写体には困らない実験装置など誰もが楽しめるのがK.E.Kの一般公開なのだ。一日中楽しめたKEKの一般公開の調査報告書をお届けする。

コッククロフト・ウォルトン型加速器

SF的で未来感あふれる加速器だけど、今は展示品となっているレガシーな加速器。
前段加速器で4段ブーストする第1段階で使っていたようだ。見学者に人気のある加速器なので写真を撮るなら朝一の空いてるときが良さそう。

この前段加速器は写真集の表紙を飾ったともあるカリスマ加速器なのだ。20120902-02.jpg

陽子線型加速器加速タンク

昭和48年三菱重工業製のレトロなアクセラレーター。
イエローサブマリンなカラーがかっこいい。

そして銘板のフォントがかわいい!

デジタル加速器

デジタル制御されたパルス電圧でイオンをブーストするデジタル加速器。案内してくれたのは白髭のシニア・アドバイザー。予定時間をオーバーしまくるほど丁寧に説明してくれた。加速器のことは全然知らないんだけど分かりやすく説明してくれた。

実は、説明委員は、デジタル加速器で21世紀発明賞を受賞した偉いヒトだった! 高山健理学博士自らのナビゲートだった。ホントに凄いヒトってさりげなくこっちに合わせてくれるんだ。

写真はデジタル加速器の要であるトランス。ここにあるのが唯一の1台。

電子陽電子入射器(LINAC)

PFとPF-ARとSuperKEKBのリングに向けて電子陽電子をぶっばなす電子ビームの滑走路である。
加速器は地下空間にあってまっすぐに延びている。地上には加速器の電源であるクライストロン用パルス電源がズラリと並ぶ。

移動はチャリンコだ。

フォトンファクトリー

光の工場と呼ばれる放射光の実験施設。以前のツアーで随分とガッカリしたとこである。写真を撮りたかったのでしぶしぶツアーに参加したんだが…。ここのシニアアドバイザーもすげー判りやすいんだけど! 少人数でじっくりとガイドしてもらえてラッキーでした。

銀色のは高周波加速空洞といって加速器をぐるぐる回ってるうちに元気がなくなった電子に電磁場で加速するのが仕事。

加速器を取り囲むに電磁石にはいろんなカラーがあってそれぞれタイプが違う。
粒子を曲げる偏向電磁石、収束する四極電磁石、収束を補正する六極電磁石八極電磁石などカラフル磁石があちこちに設置されている。
凄い速さでぐるぐる周る粒子の軌道がズレてくるのを磁石で真ん中にしてあげるって感じだな。

八極電磁石

8つの電磁石がぐるりと囲んだ八極電磁石で収束を補正する。

KEKB Bファクトリー加速器

電子陽電子入射器(LINAC)からぶっぱなされた陽電子ビームの到達点。右側の緑色のとこから入ってきて加速器を周回する。陽子と電子は逆回りに周るそうだ。左側には陽電子ビームの軌道を補正する電磁石がずらりと並んでいる。

銅の釜みたいなのは戦いの神アレス(ARES)の名を持つ『常伝導加速空洞』
ARESの中は空洞で中に電磁場フィールド。電磁場の中をビームが通ると加速される仕組みだ。

Belle II検出器

今回、見たかったのがコレ!なんてカッコいいのだ!
上のSuperKEKB 加速器でぐるぐる陽子と電子を回してビームを衝突させるとこ。
2008年にノーベル物理学賞受賞を受賞した小林・益川博士の実験は Belle検出器の成果なのだ。
現在は、SuperKEKBプロジェクトでBelle II検出器としてバージョンアップ中。
どのくらいデカいかというとドーン!真正面で見せてくれるサービス。

計算科学センター

スーパーコンピューターのある計算機室も公開。
KEKのスーパーコンピューターシステムはシステムAとのシステムBの2つで構築されてる。

システムAは、日立製作所のスーパーテクニカルサーバー「SR16000 モデルM1」
共有メモリによる高性能計算システム。
コンパイラが自動的に並列化を行うことで幅広いアプリで性能を発揮する。



システムBは、IBMの「Blue Gene/Q」
数百のプロセッサをつかったスパコンで大規模なシミュレーションの計算が得意。
プロセッサはなんとPowerPC。Macでも使われていたプロセッサで今だとPS3とかになる。



猛烈に計算している真っ最中にも気軽に見せてくれた。計算機室はとても涼しかった。つーか寒い。
スーパーコンピューターは水冷。かなりの熱を持つようで配管に水を通して冷す。さらにフロアの下から風をビュンビュン吹きつけて部屋をクールダウン。それでもスパコンの後ろに立つと熱気を感じるから相当な暑さになりそう。

金髪の天才物理学者 SHO様

J-PARCブースには、金髪の天才物理学者「SHOさま」こと多田將氏。相変わらずの強烈な存在感!
外国人サイエンティストのなかにはSHO様をこっそり撮影しているひとも。オレと目が合うとにっこり笑って「彼、とてもクールね。(といってた気がする)だって。

SHO様がニュートリノについてレクチャーを始めると瞬く間にひとが集合。ひとを惹きつけるルックスとパフォーマンスはさすがで大人も子供も引きこまれる判りやすい説明。ロックなサイエンティストである。

K.E.Kの夏の一般公開まとめ

じっくり見ると一日でも足りないくらいの一般公開を約4,600名の来場者が楽しんだ。
KEKは、公開なれしていて駐車場の誘導から施設マップ、循環バスの運行などなど施設公開に伴う運営が抜群に素晴らしくスムーズ。

K.E.Kの一般公開は、科学や物理が大好きな人はもちろん、普段見れない世界をみたい社会見学好きなマニア(俺)から、科学や物理学などまったく興味のないひともただ見にくるだけで楽しめます。

スタンプラリーやカードゲームもあるから子供も楽しそう。

普通にしてたら生涯見ることない世界がそこにはあります。機会があったら是非見に行ってみて。カメラは忘れずに。すげーから!

 

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