大強度陽子加速器施設(J-PARC) 一般公開
毎年、夏期に加速器施設を一般公開している大強度陽子加速器施設(J-PARC)。
J-PARCとは原子・分子・素粒子・原子核といった馴染みの薄いことを研究している最先端の研究施設。
一般公開では、50GeVシンクロトロン、ハドロン実験設備、物質・生命科学実験施設、そしてニュートリノ実験設備とJ-PARCを素粒子のようにぐるぐると回って見学。
なんと、ニュートリノ実験設備では金髪ロンゲの物理学者、Sho(多田将)様が自ら説明してくれた。
ハドロン実験施設
大小様々なコンクリートの柱にハイドロンビーム装置が包まれている。
ハイドロンビーム装置はとても強い放射線を放つために、コンクリート製の柱で放射線を遮蔽する。
ハイドロンビーム装置を動かすための直流電源装置。
人よりの大きい直流電源装置が3階建てのフロアにズラリと並んでる。
50GeVシンクロトロン
J-PARC最大の加速器「50GeVシンクロトロン」
ここで陽子を光速の近くまでグングン加速してニュートリノ、ハドロン実験施設にぶっぱなす。
加速器の設置は、まったいらに“水平出し”している。
普通に作っちゃうと地球はまあるいからほんの少しずつ上下に誤差が出るそうだ。その僅かな誤差も調整している精密さ。
加速器の電磁石
加速器で必要不可欠なのが電磁石。
ビーム輸送を行うためにいろんな磁場を活用しています。
青色は偏向電磁石
ビームの軌道をリングに沿って曲げるための磁場を形成する電磁石で96台ある。
- 偏向電磁石
黄色は四極電磁石
ビームの収束に使用する電磁石で水平垂直方向に1台ずつ必要。11種類216台で構成されている。
- 四極電磁石
緑色は六極電磁石
ビームの軌道や焦点位置のズレの補正に使用。全部で72台もあるそうだ。
- 六極電磁石
セプタム電磁石
電子ビームを補正するセプタム電磁石。
詳しい仕組みは全然、分からなかったけど配線むき出しの無骨な姿がカッコいい!
NEC TOKINのスゴそうな装置。
天才物理学者 多田将
加速リングの脇でパンフレットを配っている金髪・短パンのひと!?
もしかして… SHO様!
ニュートリノ実験施設を多田将さんが案内してくれた。ニュートリノ実験施設は自らが設計した施設なんだって!
多田将先生、噂には聞いていたがトレードマークの金髪ロンゲに奇抜なファッションで登場。
ショウ様が今日覚えていってほしいことはただひとつ。
「ニュートリノはニュート・リノ」ということ。
え?ニュー・トリノ(新トリノ)じゃないの?
本当はニュート(中性の)・リノ(小さな粒子)なんだって。
ニュート・リノは太陽からバンバン降り注いでいるけど、すり抜けていってしまう性質がある謎の物質。
ショウ様の説明は噂通りの判りやすさ。
ニュートリノって名前を聞いたことある程度でも、テンポよく面白い説明で判ってくる。
研究者は、専門用語を並べて「判るっていると思いますが」的な説明を延々とするのが多くてウンザリすることがあるけどショウ様は別格、本当の天才ってのを肌で感じた。
スーパーカミオカンデ
超伝導電磁石を通ってニュートリノビームを撃込むターゲットは岐阜県飛騨市にあるスーパーカミオカンデ。295kmも離れている。
撃込むといっても地球も通り抜けちゃうから地面に向けて発射!
今までに301,000,000,000,000,000,000個という桁違いのニュートリノを撃込んでカミオカンデで捉えることができたのはたったの174個!
ニュートリノはなんでも通り抜けちゃうので観測するのは難しいそうだ。
物資・生命科学実験設備
たくさんのビームラインが詰め込まれている物資・生命科学実験設備。
デカくてメタリックでメカニカルな装置。
高強度全散乱装置。何使うんだろ?
八極電磁石
置いてあった美しいフォルムの電磁石。
八極電磁石は多極で高い励磁量が必要なために金型から製作された電磁石。
このスペシャルな電磁石はビーム輸送施設に設置するスタンバイ待ち。
今年限りの限定公開!
八極電磁石の銘板。
今年に作ったばかりの新品。
ピクトグラム
研究施設のところどころにあった頭上注意のピクトグラム。
頭をぶつけると痛そうな設備がたくさんあるので注意喚起。
加速器の一般公開
加速器の研究施設は夏に一般公開することが多い。
その理由は電気。
加速器はめちゃめちゃ使うのでクーラーなどで電気の使用量が多い夏場は設備停止させて点検シーズン。そのときに一般公開で加速器を見せてくれます。
KEK(高エネルギー加速器研究機構)の一般公開も夏に行われます。
KEK
大強度陽子加速器施設(J-PARC)の公式アカウント
J-PARCはSNSでいろいろな情報を発信。見学会の開催情報もいち早く発信されます。