旧銀座アパートメント(現:奥野ビル)
銀座・日本橋の街はたてもの博物館。
和光や日本橋高島屋、三越などのビッグネームはもちろんだけど、明治屋や川崎銀行本店も抜群の存在感で脇を固めています。
そんなカリスマ建築がある大通りから一歩裏通りに入ってみるとノスタルジックなレトロ建築が存在しています。1932(昭和7)年竣工の銀座アパートメント。
現在は、奥野ビルとしておしゃれなテナントが入居しています。そんな昭和モダンな奥野ビルを見学してきました。
銀座アパートメント
奥のビルの外観はどこか同潤会アパートの面影があると思ったら青山同潤会アパートを設計した川元良一の建築。川元良一は九段会館の設計者でもある実力者。
奥野ビルにはたくさんのギャラリーが入居。
おしゃれな昭和レトロな建物によく似合っています。
さっそく銀座アパートメントに入ってみます。
画廊やアンティークなテナント、デザイナーのオフィス集まるアートスポットになっていて次から次へと人の出入りがあるので建物が目当てでも気軽にはいれました。
奥野ビルの手動式エレベーター
まず目を引いたのがエレベーター。え?開閉ボタンがない!?
奥野ビルのエレベーターは非常に珍しいエレベータでなんと扉を手で閉める手動式。
初見で躊躇してしまったのでまずは階段で上がりました。
エレベータのモダン感あふれる階数表示。
ステキな建築は必ずと言っていいほどエレベータがおしゃれ。
階によって階数表示のプレートデザインが違っているから見逃せません。
階段室
階段室も昭和モダン感がたっぷり。
主張しすぎない親柱のデザインが逸材。同潤会の階段室もこんなだった。
もともとはアパートだったので造りはシンプル。
いまは、アートスペースなので個性的な部屋が多い。
モダンなビルにポップな明るい感じがアーティスティック。
空き室を覗き込むと窓の向こうには時間が止まったままの部屋。
ここはスダ美容室として使われていて最後の住人の部屋だったみたい。
「銀座奥野ビル306号室プロジェクト」
奥野ビルの特徴のひとつは階段だと思う。
階段の横にある窓をのぞいてみた。
え?窓の向こうはアパート!?
銀座アパートメントはアパートが2棟くっついてる構造になっていて窓の外に隣のアパートが見えちゃうなんとも不思議な空間。
7階に行く階段は立入禁止。
手動エレベータに乗ってみる
初めての手動エレベータ。エレベータ自体は新型なんだけど扉が蛇腹のカーテン。
これを手で閉めて行き先ボタンを押すと普通に動き出した。動き出すと黄色の蛇腹の向こうには、むき出しのコンクリート…。ややビビる。
手動式エレベーターに乗るときは取説を読んでから!
こんなにも昭和モダン感を味わえるビルが銀座にあったとは驚き。
近代建築好きにはおすすめしたい建物でした。老朽化はしているけど大切に使われている奥野ビル。またゆっくりと見に行きたい。
建物内は暗いから明るめのレンズがいいよ。あとくれぐれもマナーよく!
銀座奥野ビルのたてものデータ
竣工 | 1932(昭和7)年 |
設計 | 川元良一 |
建物 | |
所在地 | 東京都中央区銀座1-9-8 |
見学情報 | テナントビル |
奥野ビル 三〇六号室
奥野ビルの「三〇六号室」を維持しつつ活用しようという活動が行われています。
銀座奥野ビル306号室プロジェクト
@room306project
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