軍艦島上陸ツアーの見学レポートと見どころの写真
長崎県の軍艦島(端島)は島が丸ごと廃墟になっている無人島。廃墟マニアと釣り人には、以前から知られた探検スポット。
昔の軍艦島は上陸が一切禁止で島の周りをぐるっと廻る「軍艦島周遊ツアー」だけでしたが、2008年から軍艦島に桟橋や見学通路が整備されて上陸が解禁されて島内を見学できるようになりました。
さらに2015年に世界文化遺産に登録されたことで一気に脚光をあびて「軍艦島上陸クルーズ」は人気の観光スポットとなりました。
そんな軍艦島をおとなの社会見学!
軍艦島上陸ツアーの見学レポートをお届けします。
軍艦島上陸ツアー、出航前
ツアー会社は周遊ツアーのときも利用したやまさ海運の軍艦島上陸クルーズ。やまさ海運は軍艦島クルーズの経験値が高くで安心!
窓口で予約しておいた軍艦島上陸ツアーのチケットを購入。チケットとパンフレットは旅の思い出と記念になるのでしっかり保存です。
マルベージャ号で出航
やまさ海運は軍艦島上陸クルーズはマルベージャ号。225名乗りの大きな船なので船酔いもちょっと安心!?
軍艦島上陸ツアーの最大の問題がお天気(波)
本日は晴天だけど波はどうだろう?
軍艦島は長崎港の沖合 19 ㎞ にあるので行ってみないと判らない的なこともあるそうです。
知って得する情報
やまさ海運の軍艦島上陸ツアーで知って得する情報をブログ記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

三菱重工の長崎造船所
長崎港を出港してほどなくしたら右舷に注目。
三菱重工の長崎造船所が見えてくると見逃せないポイントが世界遺産のクレーンです。
ドックで建造中の船舶がみれるいきなりのフォトスポットです。
ジャイアント・カンチレバークレーン
1909(明治42)年に竣工した日本初の電動クレーン。
高さは約 62 m もある鋼鉄の巨大なクレーンは「稼働遺産」として世界遺産に認定されているクレーンで、今でも現役で稼働します。
建造中の艦船
三菱重工の長崎造船所では、海上自衛隊のイージス艦やJAMSTECの地球深部探査船ちきゅうなどが停泊していることも。
バシャバシャ撮影会が始まりますがいい場所から撮影できなくても問題なし! 帰りにも撮影できるからあわてなくてもOK。帰りは、みんな疲れているからゆっくりと撮影できます。
もご覧ください。
軍艦島が見えてきた
9:07 に出向して現在 9:40。
軍艦島の姿が見えてきた!
あの島がぜんぶ廃墟だと思うと驚きます。
コーフンしてカメラのシャッターを押しまくったけど、どんどん近づいていくので焦らなくてもよかった。
マルベージャ号から見える軍艦島は海の上に高層アパート群が立っているような圧倒的なフォルム。
軍艦島に大接近
接岸するときには船が軍艦島にぐっと近づきます。
上陸しても見学できない廃墟を近くで見れるチャンス!船上から写真を撮りまくろう。
端島小中学校と 65 号棟
手前の 70 号棟(端島小中学校)はRC造 6 階建ての小中学校。増築された 7 階部分は現在(2023年)は倒壊しています。
1 階から 4 階が小学校、5・7階(一部)が中学校で6階は講堂になっている。70号棟には島内唯一のエレベーターがあったそうです。
奥に見える 65 棟(報国寮)は軍艦島で最大戸数があった構造物。
71 号棟(体育館)
軍艦島で最後に建設された 71 号棟(体育館)
赤いトタン屋根は崩落して鉄骨だけの姿に。
世界遺産 天川工法の護岸
マルベージャ号はスイスイと軍艦島に近づいてドルフィン桟橋に接岸するときに軍艦島で世界遺産に登録されている天川工法の護岸が見えるので写真を撮っておきます。
世界遺産 軍艦島は島がまるごと世界遺産ではなくて世界遺産は二箇所。「明治時代の石炭掘削坑」と「天川工法の護岸」です。石炭掘削坑はみることができないので天川工法の護岸をしっかりと撮影!
軍艦島に上陸
本日、波穏やかで軍艦島に上陸成功!
軍艦島は 2 班に分かれて見学です。すこしでも長く軍艦島を見学したかったので後組を選択。
ドルフィン桟橋
軍艦島で三代目の桟橋から上陸します。
きょうは、穏やかに上陸できましたが過去2代の桟橋は台風で流されてしまうほど過酷な場所にある桟橋です。
天川工法の護岸
軍艦島に上陸して通り抜けるトンネルの手前で世界遺産に登録されている天川工法の護岸を近くからみることができます。
軍艦島ワールド
トンネルを抜けた先はもう軍艦島ワールド。
テレビや写真でみたことのある軍艦島の廃墟が目の前です。
見えているところがぜんぶ廃墟という現実離れした風景を整備された見学通路から眺めるギャップ。
石炭を運んでいたコンベヤの支柱と向こうに見えるのが端島小中学校。
第1見学広場の見どころ
ナビゲーターは長崎さるくガイド。
実際に軍艦島で生活していたひとが自作の資料でリアルな話を聞かせてくれました。
軍艦島上陸クルーズは午前の便は順光で島内を撮影できます。
山上の給水槽
第1見学広場のみどころは山の上にある給水槽。
海に囲まれた軍艦島の貴重な水源だった給水槽でひとりが海水、もうひとつが真水だったそうです。左側にはまだ繋がっている送水管がみえます。
ボタを捨てるコンベアの坑口跡
石炭にならないボタを捨てるためのベルトコンベアの穴。コンクリートで塞がれているけど軍艦島の反対側へ通じていました。
第2見学広場の見どころ
第二見学ポイントは総合事務所の跡地で煉瓦の壁が記念撮影の絶好ポイント。
煉瓦の壁は大正時代に稼働していた第三立坑の捲座の跡。坑道に入坑する鉱員を支えた巻上機のあった場所。
第三立坑が閉鉱されたあとは倉庫として使っていた建物。この辺りは炭坑施設があった地区だったけど崩壊しまくっていて残っている建物は少ない。
軍艦島の撮影ポイント
レンガ壁の総合事務所と桟橋跡、備前端島灯台をまとめて撮影するの定番ポイント。
さるくガイドやマルベージャ号船員は気軽に写真を撮ってくれて撮影の構図がうまい!
海底水道取込口の跡
軍艦島のライフラインであった海底水道取込口の跡。
長崎半島から海底に敷かれた長6.5kmの日本初の海底水道管を通って軍艦島に水が取込まれていた。
第3見学広場の見どころ
軍艦島の見学で1番奥のポイントが第3見学広場。
台風などによる大波の影響が強い南側は強固なコンクリート構造物があります。
30号棟
第3見学広場から見れる日本最古のコンクリート建造物である30号アパートは今にも倒壊しそうなほど崩れかかっていた。
長崎さるくガイドさんも「今の姿をよく見ておいてほしい。そしてまたいつか見に来てほしい」と語る。
当時最先端の技術だった鉄筋コンクリートも至るところで剥離しているのがみえます。限られた材料で構造物を建築しなければならないためコンクリートの材質は貝殻をまぜていました。
31号棟
31号棟は「く」の字形平面の鉄筋コンクリート造 6 階建て・地下1階の鉱員が居住したアパートで郵便局・理髪・銭湯が入っていた建物。
31号棟は台風の高波から島を守る防潮棟しての役割がある建物。そのために海側の窓が他の建物に比べて小さくなっている。
ボロボロになった今でも防潮棟として軍艦島を守っています。
鍛冶工場跡
海底炭鉱で使用する機械や道具を製造していた仕上工場。
給水槽の送水管
山の上にある給水槽の左側にはまだ繋がっている送水管がみえます。
軍艦島上陸の見どころ写真
軍艦島に上陸すると一面が瓦礫の光景が広がっていました。
見どころを予習してきたけど全部が見どころ!
見逃さないように気になるところを撮影しました。
貯炭場
石炭運搬船に石炭を積み込んだベルトコンベア。鉄筋コンクリートで造られた柱だけが残ってる。
黒いダイヤ
落ちていた石炭のカケラ。
かつては高く積み上げられていただろう石炭も今はカケラを見かけるくらい。
3号棟
軍艦島で岩礁最頂部に建つ 3号棟が見えます。3号棟は、課長以上の職員・医師が居住していたセレブな職員社宅だったそうです。
知って得する情報
軍艦島に上陸したあとの見どころをまとめた「軍艦島上陸ツアーで知って得する情報」をブログ記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください!

軍艦島上陸、見学時間は1時間
見学時間は1時間程であっという間に時間が過ぎました。
軍艦島で見学できる場所はわずかだけど見どころがたくさん。目一杯、写真撮影してきました。
上陸クルーズの帰りは軍艦島を周遊
軍艦島上陸ツアーの帰りは、軍艦島をぐるっと周遊してから帰ってくれます。
上陸して見れなかった軍艦島の構造物をマルベージャ号のデッキからまるっと撮影!あちこちの写真を撮りまくりました。
海底水道取込口の跡(外側)
護岸にぽっかりと空いている穴は海底水道取込口の跡。
上陸ツアーで軍艦島の中で観た穴の外側です。
てっぺんの建物は先ほどの幹部住宅。よくみると壁が緑色をしている。当時、緑が少なかった端島に少しでも緑取り入れるように壁に色を塗っていた。
備前端島灯台
備前端島灯台は、閉山後に建設された灯台。軍艦島が操業していたときは 24時間明るかったために灯台が不要だったそうです。
奥に不思議な階段が見える。
軍艦島の階段は各棟を行き来できるように無尽に巡っていたようだ。
端島神社
島頂部には、島の守神「端島神社」が見えます。かつては、拝殿・神殿があったけど、現在は神殿のみが残っています。
端島小中学校
建物をあんなにも破壊する台風に負けないでまだガラスが残っているところもある。
ボタを捨てていた31号棟の大穴
軍艦島に上陸してみたコンクリートで塞がれた穴の出口がココ。
窓枠2つ分の穴は石炭を掘ったときに出るボタを捨てていた穴でベルトコンベアが 31号棟をぶち抜います。
端島の島民だった老人
軍艦島上陸ツアーには端島の島民だった老人が何人が参加していました。
端島に上陸して今の姿を見たひとりの老人が「涙が出る」と一言つぶやいていたことが忘れられません。
無責任に廃墟スゲー!カッコイイ!など浮かれ気分で写真を撮っている俺らとはあきらかに違う思いで軍艦島を見ていました。
どんな思いで見ているのがうかがい知れないけど、やっと端島に上陸できるようになった元島民の人にはゆっくりと見せてあげてほしい。
軍艦島上陸ツアーのまとめ
軍艦島上陸ツアーで見学できる場所は限られているけど大満足!
物足りなさを感じる感想も見かけるけど、軍艦島に興味のあるひとは充電を満タンにして上陸ツアーに参加がおすすめ。
軍艦島は、台風の影響などで倒壊が著しい。テレビ番組でも度々、放送されてる姿をみると確実に倒壊が進んでいます。
上陸ツアーに行ったときは、端島小中学校の7階はまだあったし、30号棟もビシッと建っていた。
軍艦島で撮影するときの知っとく情報
上陸後も団体行動。写真はその場その場でしっかりと撮影しておこう。
奥まで行って戻ってくるので2回撮影できます。
初めはみんなグイグイ撮影していますが、終盤は飽き気味になってくるので撮影しやすくなります。
基本的に柵の向こうの廃墟を撮るスタイルなので人が見切れる心配はすくないです。
廃墟に慣れていないと全部同じような風景に見えちゃいます。
周囲一帯、全廃墟なので初見だと撮った写真が瓦礫の山ばかりでエモくない心配があります。
絶景ポイントを撮り逃さないように上陸したひとのブログ記事を参考に見ておくとよさそうです。
ツアー各社は午前1便・午後1便。写真撮影としては午前が順光になります。