震度5弱以上の地震発生で情報収集するFAST-Forceとは?
2022年 3月16日 23時36分頃。
福島県沖を震源とする最大震度6強を観測した地震が発生。
この地震発生からわずかな時間で自衛隊の航空機による情報収集が開始されました。
情報収集をおこなったのは自衛隊のFAST-Force(ファスト・フォース)
地震など災害が発生したときは迅速に正確な被害情報収集が必要です。大規模災害などに備えて初動対処部隊(FAST-Force)が24時間365日待機しています。
FAST-Force(ファスト・フォース)とは?
FAST-Force(ファスト・フォース)とは日本にいつどこで自然災害が発生しても迅速に対処する初動対処部隊として 2013年に名称が付与されました。
災害発生に即応するため全国各地の駐屯地・航空基地・地方隊に24時間365日、常に待機。陸自、海自、空自すべての自衛隊がそれぞれで待機態勢をとっています。
FAST-Forceの意味
- First(発災時の初動において)
- Action(迅速に被害収集、人命救助及び)
- SupporT(自治体等への支援を)
- Force(実施する部隊)
FAST-Force(共通)の待機態勢
震度5弱以上の地震が発生した場合は、速やかに情報収集できる態勢
※震度5強以上の地震が発生した場合は、航空機による情報収集を実施
今回の地震は最大震度6強を観測したので航空機による情報収集が実施されました。
FAST-Force(陸自)の待機態勢
全国で初動対処部隊(人員:約3,900名、車両:約1,100両、航空機:約40機)が24時間待機し1時間を基準に出動。各方面隊ごとに、ヘリコプター(映像伝送)、化学防護、不発弾処理などの部隊が待機
情報収集を実施した陸自の航空機
- UH-1(霞目駐屯地)
FAST-Force(海自)の待機態勢
艦艇待機:地方総監部所在地ごと 1隻の対応艦艇を指定
航空機待機 約20機:各基地において 15分~2時間を基準に出動
情報収集を実施した海上自衛隊の航空機
- P-1 哨戒機(厚木航空基地)
- P-3C 哨戒機(八戸航空基地)
- SH-60K 哨戒ヘリコプター(館山・大湊航空基地)
FAST-Force(空自)の待機態勢
航空救難及び緊急輸送任務のための待機(約10~20機)
各基地において、15分~2時間を基準に出動。必要に応じて対領空侵犯措置のため待機中の航空機が情報収集のため出動
航空自衛隊は対領空侵犯に対処するため5分待機(5分以内に2機の戦闘機が離陸できる体制)を実施しています。震度5強以上の地震が発生したときは戦闘機を任務転用してどこよりも早く上空から情報収集活動を行います。
情報収集を実施した空自の航空機
5分待機の戦闘機である百里からF-2、三沢からF-15がどこよりも早く、現地に飛来して一次情報の収集活動、その後、赤外線暗視装置を装備しているU-125A 救難捜索機が詳細に情報収集を行なったようです。
- F-2 戦闘機 百里基地(茨城)
- F-15 戦闘機 三沢基地 (青森)※千歳の2空団
- U-125A 救難捜索機 宮城県 (松島基地)
- U-125A 救難捜索機 新潟県(新潟分屯基地)
- U-125A 救難捜索機 茨城県(百里基地)
フライトレーダーで見る被害情報収集の航空機
地震発生から約1時間後(00:31頃)に海上自衛隊厚木基地からP-1 哨戒機が離陸したことがフライトレーダーでわかりました。
離陸後、P-1 哨戒機は宮城県〜福島県〜茨城県の海岸線に沿って情報収集したようです。
自衛隊だけじゃない!?
FAST-Force(ファスト・フォース)のP-1哨戒機より10分早く、江東航空センター(東京ヘリポート)から1機のヘリコプター(AW139)が離陸しています。消防庁航空隊のヘリだと思われます。
自衛隊の防災アカウント
災害発生のときは正確な情報を知ることが重要。
防衛省公式アカウントでは災害時に自衛隊活動の情報を発信しています。いざというときに備えてフォローしておきたいです。
防衛省・自衛隊(災害対策)(@ModJapan_saigai)
まとめ
いつどこで災害が発生しても迅速に対処してくれる自衛隊のFAST-Force(ファスト・フォース)
人知れず、安心安全を守ってくれる自衛隊に感謝したいです。