横田基地に飛来する大型輸送機 C-17A グローブマスターⅢ
アメリカ空軍が運用している大型輸送機 ボーイング C-17AグローブマスターⅢは横田基地ではお馴染みの航空機。航空ファンには「グロマス」「グロ」の愛称で親しまれています。
その大きな機体はフォトジェニック。フジ・コントロールからコールサイン RCH(リーチ)が聞こえたらグロマスがアプローチ! 今すぐにカメラをスタンバイです。
グロマスのプロパティ
まずはC-17AグローブマスターⅢという航空機の性能を公式情報で紹介。
アメリカ空軍の主力輸送機であることが納得のスペックです。
- 7,740フィート(2359.15メートル)の飛行場から離陸します。
- 最大164,900ポンド(74,797 kg)の積載量を運びます。
- ペイロードなしで6,230海里を飛行できます。
- 飛行中に給油できます。
- 昼夜を問わず、未舗装または舗装された小さな飛行場に3,000フィート(914メートル)以下で着陸します。
- 米陸軍の主力戦車であるM-1を含む、車輪付きの米陸軍車両の貨物を2列に並べて運びます。
- 110,000ポンド(49,895キログラム)の連続した負荷ドロップで、単一の60,000ポンド(27,216キログラム)のペイロードをドロップします
- 2パーセントの勾配をバックアップします
- サイドウォールに54席、センターラインに48席。
グロマスのお仕事
エアベースへ人員・物資を輸送するのが主なお仕事。
それ以外に重要な任務のひとつにアメリカ大統領のサポートがあります。
大統領が世界各国に訪れるときに必要な車両やヘリコプターを輸送します。アメリカ大統領のサポートにはチャールストンのグロマスがよく使われます。
ドナルド・トランプ元大統領が来日する前には先遣隊がキャデラックワン(ビースト)、マリーンワン(VH-60)などの重量物を運んできました。1機のグロマスに10台もの大統領専用車が搭載できます。
With #POTUSinAsia we couldn't very well leave The Beast behind! pic.twitter.com/iCnady6Ag0
— U.S. Secret Service (@SecretService) November 4, 2017
最近では、アフガニスタン・カブール空港からの退避ミッションに多くのグローブマスターⅢが派遣されました。
グローブマスターの機内
毎年恒例の横田基地フレンドシップフェスティバルでは、C-17AグローブマスターⅢが公開されます。お馴染みのパールハーバー・ヒッカム統合基地のグロマスで陽気なハワイアンがお迎えてくれます。
巨大貨物室はパイプが剥き出しの無骨な造り。中央の丸い窓の向こう側がコックピットになります。
丸い窓から見たビューがコチラ。めちゃめちゃ広いです。
大統領の専用車両を一度に10台も運べるのも納得です。
グローブマスターのコックピット
C-17AグローブマスターⅢのコクピットまで乗り込むことができます。操縦するキャプテンの席に座って記念写真もOKです🤘
C-17A グローブマスターⅢの帯コレクション
横田基地にはアメリカ空軍のいろんな基地からグロマスが飛来してきます。
どれも同じじゃん? と思われがちですが帯(テイル・フラッシュ)が違うんです!!
コレクターにとって所属している基地の帯は大きな違いなのです。
お馴染みの常連から、滅多に来ないレアなグロマスのコレクションを紹介します。
トラビス帯
カルフォルニア州トラビス空軍基地(60th Air Mobility Wing / 349th Air Mobility Wing)
白地の帯にはカルフォルニア州旗のシンボルであるカリフォルニア・ハイイログマが描かれています。
ヒッカムの帯
ハワイ州ホノルルのパールハーバー・ヒッカム統合基地(15th Wing/154th Wing)
マッコードの帯
ワシントン州ピアースのルイス・マッコード航空基地。
テイル・フラッシュはワシントン州にあるカスケード山脈の最高峰マウントレーニアの山並みが描かれています。
エルメンドルフの帯
アラスカ州のエルメンドルフ・リチャードソン統合基地。
エルメンドルフの文字の横には北極星と北斗七星のテイル・フラッシュ。アラスカの州鳥であるライチョウのシルエットもデザインされています。
アンカレッジの帯
リニューアルしたテイル・フラッシュ。
ANCHORAGEの帯の下には144th ASのエンブレムのオオカミと反対側には517th ASのエンブレム 火の鳥が描かれています。北極星と北斗七星も目立つようになりました。
マクガイヤの帯
ニュージャージー州トレントンのマクガイル・ディックス・レイクハースト統合基地。
テイル・フラッシュには、マクガイル空軍基地の名前の由来であるエースパイロット トーマス・マクガイア少佐の愛機 P-38 が描かれています。
マーチの帯
マーチ空軍予備役基地
ドーバーの帯
ドーバー空軍基地のテールフラッシュのデザインは、翼と州のロゴと色に基づいています。イーグルの頭は、「イーグルウィング」としても知られる第436空輸航空団を表しています。自由の鐘は、「自由の鐘」としても知られる512番目のAWを表しています。コロニアルブルーは、デラウェア州旗の背景色を表します。ひし形は最初の状態を表します。
チャールストンの帯
チャールストン空軍基地のテイル・フラッシュは白い月とパルメットの木。
ウィリアム・ムールトリー大佐によって作成されたサウスカロライナ州の旗がシンボルマークです。
ピッツバーグの帯
ペンシルベニア州ピッツバーグ国際空港にあるピッツバーグ空軍予備役軍団。
鉄鋼の街であるピッツバーグの地域コミュニティと強い絆を結んでいることを表しており、街の豊かな遺産を象徴しています。
ミシシッピの帯
「ソニー・モンゴメリーの精神」と名付けられたミシシッピ空軍州兵C-17グローブマスターIIIの塗装計画に基づいて塗装されたテイル・フラッシュ
ライトパターソンの帯
スチュワートの帯
スチュワート空軍基地、ニューヨーク州の105th Airlift Wing。
ニューヨーク市のニックネームであるビッグ・アップルの中に自由の女神が描かれています。
メンフィスの帯
テネシー州空軍 第164空輸航空団のグロマス。
テイル・フラッシュは州旗の三ツ星。三つ星は東部テネシー、中部テネシー、西部テネシーの三地域を表現して、三地域を包括する青い円はテネシー州そのものを表現しています。
シャーロットの帯
ノースカロライナ州シャーロットの第145空輸航空団。
テイルフラッシュは「シャーロット」のレターの前にサーベルの先頭部分を伸ばし、道を切り、道を導くことを象徴しました。注目するデザインのポイントはサーベルが青色を追い越していることです。これはC-17グローブマスターIII の速度を示しています。
アルタスの帯
オクラホマ州アルタスにあるアルタス空軍基地(97th Air Mobility Wing)
テイルフラッシュは、第97航空機動航空団のエンブレムを基に描かれている。
エンブレムの意味は、ゴールデンオレンジを槍の先端がギュールズ(赤色)を包みこんでいる?
紋章学でよく分かりません…。
まとめ
横田基地によく飛来するのは、トラビス、ヒッカム、マッコードあたり。見慣れたテイルフラッシュもレアなテイルフラッシュもそれぞれデザインに意味がありました。
撮れるときに撮っておくのが飛行機撮りの鉄則。
これからもグロマスが飛来するたびにコレクションしていきます。