核融合研究所のJT-60を設見学
原子力の日を記念して開催された核融合施設見学会に参加してきた。
場所は茨城県の那珂核融合研究所。
核融合と聞くと、やばい!超危険!立入禁止!ガンダムのエンジン!?というイメージなんだけど実際どうなの?
核融合研究所のバックヤードツアーに参加して改修中のJT-60の特別見学や施設のディープなところを余すことなく社会見学してきた。
JT-60施設見学会
制御棟でお出迎え。
バックヤードツアーの始まりです。
ツアー概要の説明
ツアー概要の説明を受けてからまずはスライドで『核融合とは?』を習う。
いきなりヤバそうなお題。
ウランやプルトニウムを使って原子核の分裂反応でエネルギーを発生させるのが核分裂。
水素やヘリウムなどの軽い原子を融合させて反応させるのが核融合。
似てるようでぜんぜん違ってた!
核分裂は原子力発電や原子爆弾などに実用化されている技術だが核融合はまだまだ研究途中の技術。
中央制御室の見学
JT-60を運転していた中央制御室。すごい広い部屋に制御パネルやパソコンがずらりと並ぶ。
シミュレーションとはいえプラズマの画像や音が臨場感にあふれていた。JT-60の制御シーケンスは正面のメインパネルで監視する。
臨界プラズマ試験装置JT-60
天井が高く広い建屋に鎮座する臨界プラズマ試験装置JT-60。
JT-60 とはジャパン・トーラス 60。
トーラスってのはドーナツ型のことで60とは当初のプラズマ体積からとった数字。
核融合の主な方式はトカマク、ヘリカル、ミラー、レーザーの4つがあってJT-60はトカマク式みたい。
現在はJT-60SAにアップグレード中で解体直前。
アップグレードしてもJT-60の名前は継承してJT-60SAとなる。
SAとはSuper Advanced。超スゴイってことらしい。
迫力の光景を一望できる最後のチャンス!っと思ったけど二重窓越しでぼやっとしてた。
管理区域に潜入
ここから先は放射線の管理区域にはいります。今日は線量なし!
高周波加熱装置
高周波加熱装置はジャイロトロンという巨大な真空管を使った巨大な電子レンジ。
電磁波ビームをJT-60に入射してプラズマをいい感じにする装置のようだ。
使う電気もハンパなく高電圧を作り出すデカイ装置が所狭しと並んでいます。
プラズマを加熱するために中性粒子入射加熱装置(NBI加熱装置)の電源。
メタリックに輝くレッドカラーの装置。
電子レンジのコンセントとの格の違いを魅せつける。
整流器室
ここも電気の施設で盤がずらっと並んでいるだけのようだが茨城県の全世帯44%の電力を扱っているそうだ。130万キロワットというがピンと来ない。
JT-60 バックヤードツアーのまとめ
JT-60を直で見たかったけど、いままで見たことない巨大な装置を見れて被写体に大満足!写真撮りには楽しいツアーでした。
核融合という、聞いたことはあるけどまったく馴染みのないことだったけど核融合研究所に見学に行ってみて少しは理解できた気がする!?
珍しい機械を見れるのでカメラを持って見学をおすすめする。
判らなすぎて今回の質問は少なめ。難しくて何を聞いていいのか判らない。
誰も質問しないなかちょっとだけ聞いてみた。
Q:プラズマの温度は5億度と聞いたが溶けないのか?
A:溶けない。プラズマを磁場で浮かせて直接触れないようにしているからだ。
Q:NBI加熱装置の電源の赤色に意味はあるのか?
A:高電圧の箇所を赤と決めている。
JT-60の見学情報
今回、一般公開で見学した那珂研究は申し込みすると見学できます。
核融合発電の実現のため世界最先端の研究開発している那珂研究所を見学してみてください。
核融合施設の写真集
核融合施設を一気に見たいなら写真家 西澤丞氏の写真集「Build the Future」がおすすめ。
トカマクの代表として那珂核融合研究所の施設も収録。
未来を造る核融合施設はまさにBuild the Futureのタイトルに相応しい写真集。ド迫力写真の数々で社会見学好きは持っておきたい一冊。