旧奈良監獄が最後の完全公開イベント!奈良赤レンガFESTIVAL

近代建築 / 近代化遺産

明治の名建築見学会「旧奈良監獄特別公開イベント」の調査報告書

奈良赤レンガFESTIVALとして、重要文化財である旧奈良監獄が完全公開。
今後は耐震改修工事が行われて監獄ホテルとして生まれ変わるためにありのままの姿での最後の完全公開となる特別公開イベントが開催。

旧奈良監獄は、1908(明治41)年に竣工。
設計は山下啓次郎。明治の五大監獄を設計した監獄設計のスペシャリストでジャズピアニスト山下洋輔さんのおじいちゃん。

赤レンガを使ったアーチ型の入り口と特徴的な円塔を潜って中に入る。

正面に見える浅瓦葺の屋根の尖塔。

事前申し込みで入場料1000円だったけど入獄希望者が列になるほど大人気。

全ての窓枠は鉄柵で覆われたストライプな景色。やはり監獄である。

桜マークや謎文字がレンガに刻印されたレンガが展示してあった。
刻印レンガと呼ばれてマークによってどこで製造したのかわかる。囚人が製造したレンガが監獄レンガにも使われているようだ。

古いレンガ造りの近代建築や橋梁のレンガの積み方をよく見るとどれかの積み方になっていることが多い。最近は見ためだけレンガ積みなので正統派を見れるは稀。

日本赤煉瓦建築番付、現存しない建築もあるけど結構に見たことある。赤レンガ建築好きのあなたなら番付巡りをしてみて。

2階建の収容棟の真ん中にある中央看守所はドームっぽい佇まい。
放射状に第1寮から第5寮まである。

中央から収容棟を眺めるとこんな感じ。
真ん中から見張れば、第1寮から第5寮すべて奥まで見渡せる。
さらに1階の天井は吹き抜けになっているので2階から1階を見張れる。

重厚な扉がずらりと並ぶ収容棟。
扉は分厚い木で鍵などは金属。監視と食事(!?)を入れる小さな穴しかない。

明治監獄の鍵はゴツいスペシャル・キー。とても開きそうにない。

いくつかの監獄は扉が開いていて中に入れるので入ってみた。
監獄内はトイレと水道のみ。電気が点く感じだっけけど最近まで現役の監獄として使っていたとは思えない想像以上のヒドイ感。窓枠は斜め加工で手足を掛けれないような監獄ならではの工夫。窓の外は鉄柵がガッチリガード。

ガチャ

ん?なんか音がした?
振り返ると窓や部屋はアーチ型でオシャレ。扉の色も鮮やかなグリーンだね。

え!? 扉、閉まってね?

押しても引いても分厚い扉はピクリとも動かなくてまさかの投獄。

見かねたファミリーが看守スタッフさんを呼びにいってくれた。ありがとう!

看守スタッフがすっ飛んできてくれてきっとすぐに開くはず…。あれ?お時間かかってます?
「ガチャガチャ、あれ?あれ?開かないな。」なんか小声で聞こえたんですけど…。

全然開かない!

ボタンを押すと監獄の前に札が飛び出て看守に連絡する仕組みもあった。
押してみたけど状況は変わらず。外の看守チルドレンが飛び出た札を見てはしゃいでる。「ねーねー出れないの?」と檻の中のオレに優しく声をかけてくれる。
どうやらオレの他にも投獄された囚人がいるらしく後回しになっている模様。心なしか寒くなってきたよ…。こっちも早く助けてー!

気分的には1時間近く投獄されたころ。

ガチャ!

オープン・ザ・ドア!無事、脱獄!
パチパチパチパチ、たくさんの看守ギャラリーが拍手で迎えてくれてまるで大物の出所。
獄扉をあっという間に開けてくれたのは、元看守っぽい手慣れた感じのおじいちゃん。ありがとうございました!!

奈良監獄で最後に(勝手に)投獄されたのは俺かも知れない!?

この後は、牢屋に入らないようにして注意深く見学するぞ。
収容棟の一階。今は(多分)誰も入ってないけど並んだ監獄に圧迫感を感じる。

二階からも監視できるように天井は吹き抜けてる。

監獄の扉がオープンして休憩するスペースになっていたけどゼッテーはいりません!
「扉は絶対に動かさないで下さい」の貼紙。二階にも貼っといて。

クラフトビールフェスティバルも開催されていて奈良監獄ビールなどを味わえた。
奈良のいいもの楽しいものが大集合の奈良マルシェや刑務所作業製品の即売会もたくさんの見学囚人たちで賑わっていた。

地下の崩壊しかけたところまで公開してくれてる。完全公開は伊達じゃない。

奈良監獄の中もスゴかったんだけど圧倒的だったのが外観。
整然とした赤レンガ建築で圧倒される。

外から見た中央看守所はただただ立派。

外周がキレイだったのは重機軍団がバッチリ整地しているから。作業、ご安全に!

自力更生のモニュメントには「残」のシール。壊さないようにちゃんと残してね。

リアル刑務所の塀を塀の中からみた。
塀の外にちょっと見える民家の屋根がなんとも…。

敷地内には、日本庭園ぽい立派な庭もあった。

監獄ばかりじゃなくてその周りには普通の生活に慣れるための更生施設。

一見、普通の民家だけど周囲の壁は有刺鉄線で囲まれてる。

その他にも江戸時代に使われていた奈良奉行所の牢舎が移築保存されている。
独居房(通称:ギス監0と呼ばれる檻で外に放置の過酷な牢獄。よぼどの罪人が収監されていたのか。

隔離病舎。 精神疾患者を隔離するための牢舎。閉鎖的でなおさら病みそうな感じ。

まだまだたくさんのギャラリーが奈良監獄を見学してる。
誰もがたくさん写真を撮って明治の名建築を楽しんでいた。

ホントに隅々まで見ることができた完全公開イベント。
危険な箇所もチラホラあって実行するには大変だったハズ。企画・実行してくれた方々に心から感謝したいこれから奈良監獄がどのようなホテルに変貌するのか楽しみ。扉の鍵が開くようになったらまたくるぞ。。(ご迷惑おかけしました!)

写真集 美しい刑務所 明治の名煉瓦建築 奈良少年刑務所
西日本出版社

国の重要文化財に指定された明治の煉瓦建築「旧奈良監獄」。日本最古の近代刑務所である明治五大監獄のなかで当時の建造物の全貌が現存する唯一の赤レンガ建築。

日本の最も美しい赤レンガの名建築
エクスナレッジ

一度は訪れたい美しすぎる赤レンガ遺産
近代化や権威を象徴する駅舎、庁舎、学校、軍事施設、橋、水道橋、水門などの土木施設……
文明開化期から関東大震災までの約50年間に集中して建てられた赤レンガ建築物。日本全国75のエリア、100件超の大ボリュームを写真とイラストが満載で紹介。建物の見学情報も充実していますので旅行のお供にぴったりの1冊。もちろん見るだけでも十分に楽しめます。