UR都市機構 団地の研究所の特別公開
東京都八王子にあるUR都市機構都市住宅技術研究所の特別公開。
住宅に関するさまざまなことを研究している研究所を調査してきた。
目印の都市住宅技術研究所は超高層住宅実験タワー(108m)が目立つので迷いません。(※2017年解体)
公開されてた6つの施設を見学します。
風洞実験棟
風洞とは都市のモデルに風を当てて高層ビルを建設すると風の環境がどのように変化するのか実験する設備。
今日のモデル都市は東武線上福岡駅の開発地域。
風は吹いてくる方向は一定で円形の東武線上福岡駅を回転させる仕組みにすることで16方向からの風の状態を計測できる。
実際に風を巻き起こしているのがこの送風機。
自然風を模擬るために静翼をつけたり風の曲がり角をスムーズにしたりハニカムメッシュで気流を整えた本物志向となっている。
最近ではビル風を押さえ込むための実験だけでなく風の通り道を作ってヒートアイランドを抑制しようといった試みもしているそうだ。
風洞実験棟ではUR都市機構のスタッフさんがとっても詳しく説明してくれてたのでよーく理解できた。
住宅歴史館
是非とも見たかった集合住宅歴史館。
解体や取壊しで年々、姿を消している昭和30年代の公団住宅や同潤会アパートの住戸が保存・移築して展示公開している。
写真は同潤会 代官山アパートの独身住戸。
通風窓や灯り取りなどは昭和初期とは思えないほどモダンなデザイン。
前川国男が設計した晴海団地高層アパートの案内図
晴海団地高層アパートに設置された公団住宅初のエレベーターも保存されてる。
スキップフロア型エレベーターで停止階が1・3・6・9だけの不思議なボタン。
昭和家電も展示されている。l冷蔵庫と洗濯機?
趣のあるカラーテレビと扇風機
移築されていると晴海団地高層アパートの円形おしゃれ階段。
晴海団地高層アパートは独特の設計で2階から1階にいくには一度、3階に登らないとだった。そこで専用のおしゃれ階段が作られた。
その他にも多摩平団地のテラスハウスや蓮根団地もあって団地ごとの変化を見比べると楽しい。
パネルや模型を使った詳細な説明書きもあるので見ごたえがありました。
東鳩ヶ谷団地案内図
超高層住宅実験タワー
一般公開で残念だったのがシンボルタワーでもある超高層住宅実験タワー。
ちょっと登れるのかも?と思っていただけに排水実験が地味すぎて…。ギャラリーも盛り上がりにかけていた。
都市住宅技術研究所の見学まとめ
アンケートに答えると超高層住宅実験タワー手ぬぐいをもらった。うれしい!
あとはちょっとした写真集の豪華な冊子が2冊。
- 全国団地景観サミット2009 団地作品集
- 団地が育てた風景
無料でくれるの?というくらいの立派な冊子ご本で団地好きなら手にしておきたい。
UR都市機構の都市住宅技術研究所の判りやすいガイドもあった。
都市住宅技術研究所を見学するには?
都市住宅技術研究所ではどうやら毎年この時期に特別公開※をしているようです。それどころか申し込めば見学できました。
住宅という地味な見学会は人気ないだろうと軽く見てましたがなかなか人気がありました。
来場者層は若者(大学生)率がダントツに高くて約6割。子ども率は超低くて団地マニアはいない、おとなの社会見学でした。
※ 集合住宅歴史館は令和4年3月31日で閉館しました。