JAMSTECのよこすか・しんかい6500をまとめて見学! 船の一般公開

JAMSTECのよこすか・しんかい6500をまとめて見学! 船の一般公開
船舶の調査報告書おとなの社会見学
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船の一般公開 JAMSTECの研究船をまとめて見学

神戸ポートアイランドで開催された「テクノオーシャン2010船の一般公開」

JAMSTECの支援母艦「よこすか」・有人潜水調査船「しんかい6500」・地球深部探査船「ちきゅう」が一般公開。その他に海洋環境船「Dr海洋」も一般公開されました。

レアな船が一度に見学できるスペシャルイベントを写真満載で調査報告。

支援母艦「よこすか」と有人潜水調査船「しんかい6500」の一般公開を見学してきたレポートを調査報告書を提出します。

地球深部探査船「ちきゅう」の大きさ

ちょうど宿から停泊中のちきゅうが見えそうだったが……。ちょうど見えない。
ヘリポートとデリックのてっぺん、船尾がちょっとだけ見えるだけ。
マンションより大きい地球深部探査船「ちきゅう」

ふと見ると深田サルベージ建設の武蔵(3,700t)が神戸でお仕事中。起重機船「武蔵」は東京ゲートブリッジの橋桁を吊り上げた力持ち。
神戸でお仕事中の深田サルベージ建設の武蔵(3、700t)

朝イチでシャトルバス乗り場の国際展示場に着くとすでにバス待ちの行列。

スタッフに聞いてみるとバスは時刻通りに運行。次の出発まで時間があるので待ってらんない。土地勘がなくても歩いて向かいます。

目印は「ちきゅう」!

デリックを目指して歩いていくと迷うことなく辿りつけました。
街並みから見えるJAMSTEC「ちきゅう」

支援母艦「よこすか」の船内見学

まず支援母艦「よこすか」の船内見学。

「よこすか」は1988年に建造された、しんかい6500の輸送・運用を担う深海潜水調査船支援母船。なつしまの後継船。

停泊している支援母艦「よこすか」をみている作業員
よこすかのブリッジ

よこすかのブリッジからデリックがそびえたつ「ちきゅう」が見えました。ちきゅうはとんでもなくデカい!

よこすかのブリッジ見えた「ちきゅう」

支援母艦「よこすか」のエンジン・テレグラフ

エンジン・テレグラフとは船のアクセル。
船は前進がアヘッド(Ahead)、後進がアスターン(Astern)といいます。

推進器の可変ピッチ・プロペラが2軸あるのでエンジン・テレグラフも二つあります。

支援母艦「よこすか」のエンジン・テレグラフ
海洋調査の最前線の船といっても1988年に建造された船なので電話機や操作パネルは多少古さを感じる。

古さを感じる支援母艦「よこすか」ブリッジの操作盤

花毛布・飾り毛布

今となっては飾れる人も少なくなってしまったという花毛布・飾り毛布も展示されてました。

一枚の毛布から花・景色を作り出す花毛布は船旅のおもてなしする伝統の技です。

花毛布の「竹の子」

一枚の毛布から飾りあげた「たけのこ」の花毛布

飾り毛布 - 竹の子

花毛布の「孔雀・バラ」

一枚の毛布が様々な形を織りなしていました。

花毛布は先輩の技を見よう見まねで覚えていく伝統の技なので花毛布の折り方をネットで検索してもでてきません。

一枚の毛布から生まれる、花や景色。「花毛布」と呼ばれるもてなしの技は海の職人たちによって100年間受け継がれてきた伝統の技。

「花毛布は」100年ほど前から、欧米の船に対抗するために外国航路の日本客船で始めれられたサービスと言われています。毎日、違う形で折られた毛布は乗客の目を楽しませました。

現在では仕事の効率化や寝具が羽毛布に変わるなど時代の変化により客船の一部(特等船室・一等船室など)に限って残されている高嶺の花になっています。

一枚の毛布から生まれる花毛布(はなもうふ)

有人潜水調査船「しんかい6500」の一般公開

よこすかの格納庫に「しんかい6500」がどどーんと鎮座!

テレビで見る「しんかい6500」がそのまんまの姿で公開されていました。海底6500mに潜航するボディに「タッチもできちゃう!

よこすかの格納庫で一般公開されている有人潜水調査船「しんかい6500」

有人潜水調査船「しんかい6500」のリーフレット

「しんかい6500」のフロントビュー

フロントには深海を照らす投光器や記録のためのカメラ類などが装着されています。

下の見える銀の棒みたいなのが: マニピュレータ。「しんかい6500」の手となって海底のサンプルを採取する。
「しんかい6500」のフロントビュー

「しんかい6500」のリアビュー

後ろには深海6500mを進むための主推進器。
機械がむき出しになってるけど実際に潜るときもそのまま水浸しになるそうだ。
しんかい6500の主推進器

主推進器は旋回式大型スクリュー
しんかい6500を旋回するときは大型スクリューの角度を変えます。
しんかい6500の旋回式大型スクリュー

現在は回収されて主推進器が旋回式大型1台から固定式中型2台に改造して最大速力がアップしています。
初披露!しんかい6500改の一般公開

「しんかい6500」のサイドビュー

きょうは特別にスケスケな見学用の透明アクリルパネルで実際に潜水するときはちゃんと隠れてる。

真ん中の竹筒みたいなのは垂直スラスタ。上下に垂直移動するときに使う。
側面から見た「しんかい6500」

垂直スラスタを下から覗き込むとスクリューが入っていた。

しんかい6500の垂直スラスタ

よこすかの着水揚収装置

支援母艦「よこすか」の後部甲板にある着水揚収装置とA-フレームクレーンで「しんかい6500」を持ち上げます。

海洋調査船「なつしま」にも搭載されている川重マリンエンジニアリングの製造。
着水揚収装置とA-フレームクレーン

A-フレームクレーンは潜水調査船の着水・揚収用に開発したクレーン。川崎重工で建造された支援母船「なつしま」と「よこすか」に搭載されています。
潜水調査船の着水・揚収用に開発されたA-フレームクレーン

記念撮影ポイント

よこすかの後部甲板にはしんかい6500を背景に記念撮影ができるポイントが設置。備え付けの船長の帽子を使ってみんなパシャパシャ撮影会。

よこすかの後部ハッチでしんかい6500を背景に記念撮影

「しんかい6500」のオペレータに質問FAQ

「しんかい6500」のスタッフがあちこちにスタンバイして説明してくれました。せっかくのいい機会なのでいろんな質問をしてみました。

リアルパイロットから興味深い話をきけました。どんな質問にも答えてくれてありがとうございました。

海に潜るときはどのくらいの深さまで明るいのか?
水深200mくらいまでは陽の光が届く。ちなみに深海とは200m以上の深さのことをいう。
海が暗いとやっぱり夜勤の気分?
それはない。深海はいつも深夜のようだが地上の時間に合わせて昼間に働く。
どの位の時間で6500mまで潜るのだ?
2時間半だ。1分間に40mずつ潜る。
潜るのと浮かぶのは速さは違うか?
大して変わらない。推進力で沈むのでなくバラストタンクの水とウエイトで沈む。浮かぶときはウエイトを捨て浮くので変わりはないのだ。
右回転しながら沈むとは本当か?
本当だ。ただしその訳はわからない。しかも乗船していると廻っていることに気がつかない。
やばかったことはあるか?
ブラックアウトだ。電気系統のダウンはたまに起きる。停電になるとバラストが自動的に投棄され浮く安全設計がされている。
海底で注意していることはあるか?
海底には柱があって倒れてきて挟まったりすると非常にやばい。この柱はもろいから気を付けている。
浮上できなくなったらどうするのか?
船尾から係留ブイをだして海上の船から絡めとって引き上げる。毎年、練習しているからうまくできるぞ。
海の底はキレイか?
そうでもない。それより水深200mくらいでバクテリアが発光したのが一面に見えるときが最高にキレイだ。
揺れるのか?
少しは揺れる。海底では耐圧殻の上にモノをおいても落ちこてないほど安定する。ただし浮上の時は落ちてくるから片付けている。

しんかい6500レゴ

しんかい6500」のレゴは日本から世界へ初めて発信されるレゴ®ブロックとして発売されます。
もちろん予約購入しました!

しんかい6500レゴ

うみとちきゅうのペーパークラフト

JAMSTECのホームページからダウンロードできる「うみとちきゅうのペーパークラフト」

有人潜水調査船「しんかい6500」

水深6500mまで潜ることができる3人乗りの有人潜水調査船です。現在は、主推進が2個に増え、コクピットも改造され、ワンマンパイロットでの潜航も可能となっています。

難易度★★★☆☆

機械遺産 「しんかい2000」

日本で初めて作られた本格的な有人潜水調査船です。2021年には「ふね遺産」に選ばれました。「しんかい2000」で培われた技術は、深海調査機器の開発に生かされています。現在は、新江ノ島水族館に実機が展示されています。

難易度★★★☆☆

マニピュレータ

深海調査には欠かせないアイテムです。「しんかい6500」のマニピュレータはチタン製で軽量、高強度であり、7軸制御なので操作性が良く、複雑な作業でも操作しやすく出来ています。これを使って、深海から貴重なサンプルを採ってきています。

難易度★★☆☆☆

しんかい6500を使いたいとき

もし、しんかい6500を使いたいときは手引き書を読んでみましょう!
有人潜水調査船「しんかい6500」 利用者の手引き