海上自衛隊の『US-2』、純国産の救難飛行艇が荒ぶる海で救助劇

海上自衛隊 JMSDF

純国産の救難飛行艇「US-2」

太平洋横断にチャレンジしていたニュースキャスターの辛坊治郎氏と全盲のヨットマン・岩本光弘氏が宮城県の金華山南東約1200キロの洋上で遭難。荒ぶる海から要救助者を助け出したのが海上自衛隊の救難飛行艇『US-2』

US-2は、新明和工業が製造している純国産の救難飛行艇。
この水面で離着陸できる水陸両用の飛行艇には世界に類を見ないオンリーワンの技術が詰まっている。

大活躍した救難飛行艇 US-2

時速470kmで航続距離 4,700km。離水できる距離 280m、着水できる距離 310m。
そして着水できる波高は3m。キャビンが与圧されているので高高度での飛行も可能、荒天時に飛行ルートの幅が広がり外洋での海難救助もこなせる。
スゴさっぷりがよく伝わらないけどとにかくスゴいのだ。

救助した機体は海上自衛隊のUS-2(9903)。
写真は量産初号機の3号機で実際に着水して救助した機体。
厚木基地の日米親善春祭りで地上展示されていたときは、なんて不細工な奴なんだ…と思ってた
あんなに凄いレスキューをする機体だったとは。不細工いって悪かった。

救助したのは海上自衛隊第71航空隊(Ivory)のUS-2。厚木基地と岩国基地に配置されている。
外洋での海難救助に重点を置き「救難待機(第2待機)」という常に緊急発進に備えた待機している。
実際には小笠原諸島など離島の急患搬送の任務が多い。

US-2が着陸寸前の飛んでる姿。4つのプロペラをぶんぶん回してる。(写真は4番機)
機体の底は波が高くても着水、離水できるために船みたいな構造になっている。
主翼のフロートがあってエンジンが海水に浸からないように海面でバランスをとる。

ずんぐりしていると思いきや後ろ姿は意外とスマート。

で、この救難飛行艇 US-2がどこまで救助に向かったかというと…。

ココだ。

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マジかよ、すげー遠い。1,200kmも離れたところの小さな救命ボートを発見して大波の中を救助したのかよ。海上自衛隊レスキューすげー。

US-2 荒ぶる海での救難ミッション

今回の救難は、波高4mという機体のスペックを超す悪天候の中で救助ミッションを成功させたのは機体の性能はもちろんだけど改めて自衛隊の練度の高さを知らしめた。

スペックを超える4mの海上に着水したことでエンジンが海水を被ってしまった。
そのためにUS-2の4基あるエンジンのうち1基が停止した状態で厚木基地まで帰投。日頃の訓練がエンジン停止という緊急事態でも冷静な対応に繋がっているのだ。

US-2がクローズアップされてるけど海上保安庁も頑張っていた。

海上保安庁のガルフストリームがいち早く現場に向かい救命ボートを発見したようだ。
海保からの災害派遣要請を受けて海上自衛隊がレスキューに向かった。まずは厚木基地の『P-3C哨戒機』(シーイーグル)が現場に向かって情報収集。いつもP-3Cは潜水艦や不審船を見張っているシーイーグルだけどレスキュー任務も万全。どんな状況にも対応できる即応力はさすがである。

海自に災害派遣要請したのは第二管区。
現場で飛んでいたのがガルフストリームということは、第三管区の羽田特救隊が向かっていたのかもしれない。海上保安庁の管区はバラバラだけど海上自衛隊との連係はいいようだ。

防衛省の報道資料から考えると要請を受けてからの対応が速い。
航空機は、もろもろの準備でそんなに早く飛び立てない。救難待機(第2待機)から急いで現場に向かったようだ。第2部隊はいつでも飛び立てるようスタンバイ。先行部隊が燃料切れで帰投になると即時、離陸していった。

そういえば、空飛ぶ広報室でも航空自衛隊の航空救難団がレスキュー最後の砦としてあったけど救助にいかなかった?その理由は、防空識別圏でなかったからと思われる。
ヘリでは救助にいけないほど遠い外洋のレスキューは海上自衛隊の出番のようだ。

1,200kmも離れた荒れた海上に流れさている小さな救命ボートを救難した海自も海保も本当にすげー!

 

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