半田赤レンガ建物の内部を特別見学
愛知県半田市にある近代化産業遺産の半田赤レンガ建物。
1898(明治31)年に竣工した赤レンガの建物(旧カブトビール半田工場)は歴史ある建物。
設計者は明治を代表する建築家の一人である妻木頼黄。妻木頼黄は横浜にある赤レンガ倉庫や横浜正金銀行も設計しています。
いつもの半田赤レンガ建物は外観のみ公開で年に数回のイベントのときだけ内部を公開しています。
今日はイベントの日じゃないけど近代建築好きとしては外観だけでも写真を撮りたかった建物なので立ち寄ってみました。
半田赤レンガ建物の外観
建物の周囲はフェンスで囲われていてキレイに整備されています。
旧カブトビール工場の看板。
建物の周囲には建物の説明書きの看板もあって半田赤レンガ建物を大切に保存しているのがわかります。
いつもは(きっと)閉まっている門が開いています。
カメラ構えて建物を撮っていると赤レンガの建物の中から関係者らしい方が数人登場。
赤レンガの建物を見に来たことを伝え、近くから撮影してもいい?と聞くとどーぞどーぞと快諾。
遠慮なく近くから撮影させてもらいました。バシャバシャ撮ってる狂人ぶりに
「中、見ます?」
いまなら建物内も自由に見ていいとありがたいお言葉。
建物の中では9月23、24日のイベントに向けて今日は皆さんが忙しく準備していました。お仕事中にも関わらず内部を案内していただきました。
去年の半田赤レンガ建物一般公開イベントでは一日で3600名(!?)もの来場者があったそうです。
半田赤レンガ建の内部を見るには?
半田赤レンガ建物イベント・公開スケジュール
https://handa-akarenga-tatemono.jp/event/
9月23、24日にいけない人は、10月6、7日のはんだ山車まつりでも一般公開があるのではんだ山車祭り保存会 公式ホームページをチェックしておきましょう。5年に一度の祭りなので大変盛り上がるそう。
半田赤レンガ建物の内部写真
お言葉に甘え撮ってきた写真。100歳を超えた風格を感じさせる内部。
5重の複壁。これはレンガの壁面に空気層を設けることで断熱することで室内を低温で変化のない温度にするための工夫。ビール工場ならではの工夫。
天井の多重耐火床。
火災に強い床でレンガでアーチを組んでいます。レンガアーチの空気層と天井裏におかくずを充填することで断熱性を高めているそうです。
ビールの樽が並べられていたタンク室。
一部は樽の形にあわせた壁面のになっていました。
建物内は趣があります。
イベントのときはカブトビールの販売もあるそうです。楽しそう!
ハーフティンバー方式で作られた建物は日本ではあまりみることのない独特な意匠です。
ハーフティンバーとは?
歴史的洋館の建築様式のひとつ。
木材の柱・梁との間をレンガで埋めた建築様式。レンガを用いることで強度があげて、装飾的な効果もあります。
レンガ壁面の機銃掃射跡
レンガ壁面にボコボコと穴が空いている箇所があります。
これは戦時中の米軍戦闘機による機銃掃射跡。
レンガが守ってくれました。
半田赤レンガ建物のみどころ
・樽型になってる壁
・腹壁(レンガの5重層壁)
・耐火床(かまぼこみたいな天井)
・ステンドグラス(新しく作ったそうです)
・機銃掃射跡(駐車場側の壁面)
・ハーフティンバーっぷり
半田赤レンガ建物のまとめ
思ってもいなかったラッキーな貸切見学会。おかげさまで心置きなく撮影できたのはラッキーだった。
見学してるときにも気軽に声をかけてくれたりと半田の人柄の良さを感じました。
今も半田赤レンガ建物がしっかりと保存されているのは、このひと達のおかげです。
ゆっくりと快く見学させてくれた方々に感謝です。ありがとうございました!
半田赤レンガ建物のたてものデータ
竣工 | 1898(明治31)年 |
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設計 | 妻木頼黄 |
建物 | 登録有形文化財( 23-0136) |
所在地 | 愛知県半田市 |
見学情報 | 常時公開 |