弾道ミサイルから日本を防衛するPAC3
北朝鮮が弾道ミサイルを発射すると話題になるパトリオット(PAC3)
パトリオット(PAC3)って…。「ミサイルが飛んで来たら撃ち落とす武器だよね?」という、フワッとした知識をアップデート。
ちょっとだけ知りたい人も詳しく知りたい人もパトリオット(PAC3)の知識をまとめてアップデートできるプログラムをお届けします。
パトリオットとペトリオット
まず名前。
パトリオットとペトリオットの2つの呼びかたがあります。
ニューステロップやメディアでは「パトリオット」
自衛隊公式の文書やミリタリーマニアは「ペトリオット」
と、呼ばれているので圧倒的に「パトリオット」と耳にします。
実際にパトリオットを動かしてる中の人は略して「ペトリ」と言ってるとか、いないとか。
パトリオットの正式名称
このペトリオットも略称でフルネームは、
Phased Array Tracking Radar to Intercept On Target
この頭文字をとって PATRIOT という造語になっています。
日本語に訳すと「目標物迎撃用追跡位相配列レーダー」とお堅い感じです。
2023年最新の呼び方
2023年は PAC3※(パックスリー)と呼ばれるようになりました。
テレビでミサイル防衛のニュースになったときは PAC3(パックスリー)と表記されることが多くなっています。
どれも迎撃ミサイルシステムなので一般的には、
パトリオットとペトリオットとPAC3
は同じものだと考えてOK!
PAC3とは?
迎撃ミサイルの弾の種類で Patriot Advanced Capability3 の略称です。
パトリオット(PAC3)の仕事
パトリオットは地上配備型の地対空誘導弾。
日本の国土に向けて発射された弾道ミサイルから防衛するミサイル防衛システム(BMD)が仕事です。
ミサイル防衛システム(BMD)は海上自衛隊のイージス艦と航空自衛隊のペトリオットの二段階で防衛しています。
第一段階は、イージス艦のSM3が大気圏外で飛行している段階で迎撃します。
第二段階では、ペトリオット(PAC3)は、大気圏内に再突入した段階の弾道ミサイルを迎撃。すぐそこまで迫ってきた弾道ミサイルを迎撃する拠点防衛の最後の砦です。
パトリオットの全貌
パトリオットで思い浮かべる姿がコレ。
テレビによく登場するパトリオットはミサイル発射機(LS)で花形といえる車輛です。
発射機だけがクローズアップされますがミサイル発射機(LS)だけでは何もできません。
ミサイル発射機のほかに、レーダー車(RS)・電源車(EPP)・アンテナマストグループ(AMG)・射撃管制車両(FCS)などの複数の車両がリンクしてみんな揃ってのパトリオット。
パトリオットは多数のトレーラー移動式の車輌からなるシステムなのです。
みんな揃ったペトリオットがこちら。
PAC-3の自己紹介
パトリオット(PAC3)のトレーラー移動式の利点は、公道を走って防衛拠点へ移動することができることです。
ミサイル防衛システムを構成するトレーラー移動式の主な車輌を紹介します。
ミサイル発射機(LS)
LS(Launching Station)は迎撃ミサイルの発射装置でパトリオット(PAC3)の花形。
防空戦闘時は、射撃管制装置(ECS)からの統制によって無人で射撃を行う。
レーダー車輌(RS:Radar Set)
多機能「フェイズド・アレイ・レーダー」を搭載。
弾道ミサイルなどすべての目標を捜索・追随する。LSより発射したミサイルの追尾・誘導、敵味方の識別を行う。回転はしないため迎撃する標的の方向にレーダー面を向ける。
非常に強力なレーダー波を照射するので前方は立入禁止
電源車輌(EPP)
EPP(Electric Power Plant)は 150KW 発電機を 2基搭載した車輌。
ケーブルを介してそれぞれの器材に電源供給を行います。
アンテナ・マストグループ(AMG)
AMG(Antena Mast Group)は UHF アンテナを展開・伸張させて他の高射部隊や指揮所運用隊と無線通信で音声・データ伝送を行う。
離れた場所に展開する他のパトリオット部隊と通信することで連携を可能にする外付けのアンテナの役割です。
射撃管制車輌(ECS)
ECS(Engane Control Station)はパトリオットシステムの要。唯一の有人車輌です。
情報を統制して迎撃ミサイルを発射させる射撃管制装置を搭載している。
パトリオットシステムの中核となる装置でオペレータは最大 16 基の発射機(LS)を管理します。
PAC3はどこにある?
パトリオット(PAC3)は、航空自衛隊の高射群に配備されて全国 24 の高射隊で運用されています。
北部高射群本部
- 第9高射隊(千歳基地)
- 第10高射隊(千歳基地)
- 第11高射隊(長沼分屯基地)
- 第20高射隊(八雲分屯基地)
- 第21高射隊(車力分屯基地)
- 第22高射隊(車力分屯基地)
- 第23高射隊(八雲分屯基地)
- 第24高射隊(長沼分屯基地)
中部高射群本部
- 第1高射隊(習志野分屯基地)
- 第2高射隊(武山分屯基地)
- 第3高射隊(霞ヶ浦分屯基地)
- 第4高射隊(入間基地)
- 第12高射隊(饗庭野分屯基地)
- 第13高射隊(岐阜基地)
- 第14高射隊(白山分屯基地)
- 第15高射隊(岐阜基地)
西部高射群本部
- 第5高射隊(芦屋基地)
- 第6高射隊(芦屋基地)
- 第7高射隊(築城基地)
- 第8高射隊(高良台分屯基地)
南西高射群本部
- 第16高射隊(知念分屯基地)
- 第17高射隊
- 第18高射隊(知念分屯基地)
- 第19高射隊(恩納分屯基地)