イタリア大使館別荘記念公園は、1928年(昭和3年)に建築された別荘建築の洋館で1997(平成9)年までイタリア大使館の別荘とて歴代の大使が夏の間、避暑に訪れていました。
中禅寺湖畔に佇む、イタリア大使館別荘記念公園の別荘(本邸)と国際避暑地歴史館(旧副邸)を見学してきました。
イタリア大使館別荘記念公園(本邸)を見学
森の中を歩いていくと、杉の皮で仕上げられた特徴的な外装で木と湖に囲まれた場所に自然に溶け込んでいる洋館が現れました。
旧イタリア大使館別荘を設計者したのは、チェコの建築家アントニン・レーモンド。
イタリア大使館別荘記念公園(本邸)の1階
1階には、食堂・居間・書斎・サンルームがあってどの部屋からも中禅寺湖を眺望できます。
当時の床板や建具・家具などをできる限り再利用した復元で建設当時を再現しています。
各部屋に共通している天井や壁の杉皮張りのパターンが建設当時を思わせます。
本邸 1階のリビングルーム(居間)
玄関から入ってすぐに出迎えてくれる居間。
広がりのある開放的な空間は杉の木をふんだんに使った柔らかい雰囲気。天井照明がなくても窓が多いのでともて明るいです。
イタリア製生地のソファーでくつろげます。展示品でなく座れます。
本邸 1階の書斎
イタリア大使が執務をしていた書斎は森に囲まれた静寂な雰囲気。
書斎の全体に張られた市松模様の杉皮のパターンがオシャレ。
イタリア大使が見ていた光景がコチラ。
写真では逆光だけど窓の向こうには中禅寺湖の美しい風景が広がっています。
石造りのマントルピース(暖炉)は当時ままです。
本邸 1階の食堂
大使と家族が食事をしていた(だろう)食堂も落ち着いた空間。
左側にある食器棚には大使が使用した食器が並んでいます。
本邸 1階の広縁(サンルーム)
イタリア大使館別荘記念公園(本邸)のベストポジションの広縁(サンルーム)には、ソファーが並べてあります。
一面が窓で明るい広縁からは中禅寺湖の風景が丸見え。
ソファーに腰掛けると、目の前に広がるのはイタリア大使が眺めていた中禅寺湖と同じ眺めを感じることができます。
イタリア大使館別荘記念公園(本邸)の2階
休憩室(スリーピングポーチ)
森に面した休憩室として使われておいた部屋。
窓から見える景色は、額縁のようで柔らかな木漏れ日を感じます。
眺望室1(大使の間)
イタリア大使の寝室として使われていた部屋。
カーテンなどのインテリアは当時、使われていた物です。窓の外には中禅寺湖の湖畔が広がっています。
登録有形文化財の登録証
イタリア大使館別荘記念公園本邸一棟は、文化財として国指定の登録有形文化財です。
湖畔から見たイタリア大使館別荘記念公園
イタリア大使館別荘でよくみる中禅寺湖の湖畔側から撮影したアングル。
杉皮の外装と窓に映る新緑で、森と調和している洋館です。
湖畔別荘の避暑
外国人にとって過ごしにくい日本の夏を乗り切るには中禅寺湖が最高の避暑地。
写真に映る女性の爽やかな笑顔がイタリア大使館別荘で過した涼しい夏を物語っているようです。
国際避暑地歴史館(副邸)を見学
国際避暑地歴史館(副邸)はイタリア大使館別荘の副邸。
暖炉を持つ居間兼食堂とそれに続く広縁、寝室と台所からなっていた洋館で大使のお供が宿泊していました。
福邸の広縁は、森の中に溶け込んで一体感のある景観。
イタリア大使館別荘記念公園のたてもの手帖
暑い夏の日に避暑として探訪したいイタリア大使館別荘記念公園。
所在地 | 栃木県日光市中宮祠2482 |
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料金 | 300円 |
開館期間 | 4月〜11月 |
文化遺産 | 登録有形文化財(09-0052) |
竣工 | 1928(昭和3)年 |
設計者 | アントニン・レーモンド |
公式サイト | イタリア大使館別荘記念公園 |
イタリア大使館別荘記念公園へのアクセスは歌ヶ浜駐車場から徒歩15分。
畔歌ヶ浜駐車場は無料です。
建築家 アントニン・レーモンド
チェコ出身の建築家アントニン・レーモンドは、帝国ホテル建設の際にフランク・ロイド・ライトの助手として来日。その後、日本でモダニズム建築の作品を多く残しました。
東京女子大学にはレーモンドの設計した多くの建築があります。
レーモンドの設計事務所
アントニン・レーモンドが設立したレーモンド設計事務所は現在も、多くのステキな建築を設計しています。