電灯艦飾、海上自衛隊のイルミネーション
電灯艦飾でイルミネーションされた海上自衛隊の艦船を見たことがありますか?
自衛隊の艦船でイメージするのがグレー色。
敵から見つからないようにシックな装いの護衛艦たちは目立つことはありません。
いつもは控えめな護衛艦たちが夜になると船体が浮かびあがるようにイルミネーションされることがあります。それが、
電灯艦飾(でんとうかんしょく)
電灯艦飾は国家の大典・観艦式等の行事の際に行われる祝意として自衛艦の船体を白色電球で電飾します。
海上自衛隊の護衛艦たちがイルミネーションされた電灯艦飾(でんとうかんしょく)の写真と一緒に、いつ・どこで・何が見れるのか調査報告をお届けします。
横須賀基地の電灯艦飾
横須賀基地に停泊していた護衛艦が電灯艦飾したときの写真がコチラ。
4隻の護衛艦の形が浮かび上がるように白色電球が線で結ばれています。
船体を浮き出すように白色電球が線になっています。
白色電球は都会のカラフルなイルミネーションとは違った趣があります。

横須賀基地で電灯艦飾する護衛艦
電灯艦飾の決まりごと
電灯艦飾は必要な細部事項を定められた海上自衛隊旗章細則 第3章に従って実施されます。
いつ行うのか自衛隊の説明によると
「国家の大典・観艦式などの日没後に実施されます。」
と、かなりざっくりとした説明なので電灯艦飾について深堀します。
電灯艦飾をする時間
電灯艦飾の時間は海上自衛隊旗章細則によると「日没後に先任指揮官が定める時刻から午後10時まで行います。」とあります。
実際の時間はそのときによって違います。
経験上では 19:00〜21:00 が多いです。
22:00までだと余裕かましてると終了しちゃていることも…。
開始・終了の時間は海上自衛隊の公式のツイッターで確認です!
電灯艦飾をするイベント
電灯艦飾を行う、国家の大典・観艦式とは何か具体的なイベントを深堀します。
国家の大典
国家の大典とは皇太子殿下のご即位、天皇陛下御在慶祝行事などで実施されました。
皇室の行事なので滅多にない機会です。
観艦式
電灯艦飾を一番じっくりと楽しめるチャンスが観艦式のフリートウィーク。
観閲式は自衛隊記念日の行事の一環として陸上自衛隊の「中央観閲式」、航空自衛隊の「航空観閲式」と持ち回りで実施されるので3年に1回は順番が回ってきます。
海上自衛隊の観艦式の年は、横須賀・横浜・木更津に艦艇が勢揃いしてフリートウィーク期間中に電灯艦飾を実施します。
中でも横浜は停泊中の護衛艦を間近で見ることができるのでオススメです。

大さん橋で電灯艦飾する護衛艦「かが」
自衛隊記念日(11月1日)
自衛隊記念日(11月1日)には海上自衛隊の5つの基地で電灯艦飾がおこなわれることが多いです。
大晦日(カウントダウンイベント)
そのほかの機会は大晦日。
横須賀のカウントダウンイベントにあわせて電灯艦飾が行われます。
お祭り
横浜開港祭など港に関連するイベントのときや自衛艦が寄港したときにも電灯艦飾をすることがあります。
電灯艦飾はどこで行うのか?
海上自衛隊の艦船が停泊している基地や港で行われます。
横須賀のヴェルニー公園など基地の外からも電灯艦飾をみることができます。
海上自衛隊の5つの基地
電灯艦飾の決まりごと
電灯艦飾はすべての艦船ができるわけではありません。
海上自衛隊旗章細則 に潜水艦、練習潜水艦、ミサイル艇及びエアクッション艇以外の自衛艦は、電灯艦飾を行うことができると定められています。
また白色電球の間隔も約1mと決められています。
電灯艦飾の電球
白色電球ときくと昔ながらの電球をイメージしますが最近ではLED電球を使用した電灯艦飾が多そうです。チャンスがあったらズームして確認してみてください。
電灯艦飾の型式の標準
艦船の種別 | 実 施 箇 所 |
---|---|
護衛艦 | ・艦首からメインマスト、その他のマスト、船尾を結ぶ線 ・船体、艦橋、煙突及びマストを浮き出す線 |
練習艦 | |
掃海艦 | ・艦(艇)首からメインマスト、その他のマスト、艦(艇)尾を結ぶ線 ・船体を浮き出す線 |
掃海母艦 | |
輸送艦 | |
訓練支援艦 | |
多用途支援艦 | |
海洋観測艦 | |
音響測定艦 | |
砕氷艦 | |
敷設艦 | |
潜水艦救難艦 | |
試験艦 | |
補給艦 | |
掃海艇 | |
輸送艇 | |
特務艇 | |
支援船※ |
※ 電灯艦飾を行うことができるものとして指定された支援船に限る。
電灯艦飾された自衛隊の艦船
自衛隊観艦式の FLEET WEEK に電灯艦飾された護衛艦。
横須賀のヴェルニー公園、横浜の大さん橋・横浜新港で電灯艦飾を撮影した写真を紹介。
写真よりも実際は暗く見えます。
横須賀のヴェルニー公園
自衛艦は通常、横須賀基地など港のある基地に停泊しています。
横須賀基地の電灯艦飾はヴェルニー公園が定番の撮影スポットです。
ヴェルニー公園からはちょっと遠いことと平面な構図になってしまいます。
さらに問題が足元。
桟橋は人が通るたびに揺れてしまうため三脚で長時間露光して撮影しているとブレちゃうことも。

横須賀のヴェルニー公園で撮影した電灯艦飾
横須賀の高台
高台にある公園からは俯瞰で撮影できます。
煌びやかでな電灯艦飾を撮影できますが、住民の方の迷惑にならないように気を配ってください。

横須賀の高台から撮影した電灯艦飾
横浜で見た電灯艦飾
横浜の電灯艦飾は艦船の数は横須賀に比べると少ない間近で見れること、ちょうどいい距離感で撮影できるのでオススメです。
横浜大さん橋
大桟橋は間近で撮影できます。
近すぎて構図からはみ出ますがダイナミックな護衛艦の電灯艦飾を観賞できます。

横浜大さん橋で撮影した電灯艦飾
横浜新港
ちょうどいい感じで電灯艦飾を撮影できます。
よくみるとノースドックに停泊している電灯艦飾した護衛艦も見えます。

横浜の横浜新港で撮影した電灯艦飾
電灯艦飾の情報収集
電灯艦飾を見るための情報収集。
電灯艦飾を実施するときには事前に通達があります。
実施しそうなシーズンになったら検索してみましょう。すぐにでてきます。
もしくは、お近くの地方総監部アカウントをフォロー。
電灯艦飾などイベントを実施するときに必ず情報提供があります。
海上自衛隊地方隊のTwitterアカウント
電灯艦飾の調査報告書
キレイにイルミネーションされた自衛隊のお船を見るだけでもステキです。
この護衛艦たちは、なんとなくイルミネーションしているのではなく、
電灯艦飾というネーミングで点灯する時間、電灯の間隔や種類、艦船によって型式など細かく定められた規則がありました。詳細が判るとさらに興味深く見学できるようになりました。
電灯艦飾で検索して機会があったら是非、ご覧になってくださいッ!
日常の舞台裏で海に囲まれている日本を常に防衛している海上自衛隊のみなさん。ありがとう。