旧森田銀行本店を見学
古典主義と豪華な漆喰模様
福井県の坂井市三国町にある旧森田銀行本店を見学しました。
旧森田銀行本店は1920(大正9年)年に竣工した西洋建築で福井県内に現存する鉄筋コンクリート造最古の建築物。
旧森田銀行本店は明治時代を経て、円熟してきた西洋建築の技術が盛り込まれたステキな建物。
設計したのは山田七五郎で横浜市開港記念会館や長崎県庁も手がけた建築家。
旧森田銀行本店の正面
銀行建築によくあるオーダーがドドーンと並ぶ重厚な造りではなく、軽やかなシンメトリーな造り。外壁はタイルで窓枠は擬石で装飾されて立体感のある見た目になっています。
正面の上部には凝った意匠のペディメント
正面中央には大理石で「株式会社森田銀行」の社名
左右にある出入り口の銅板細工の庇(ひさし)と擬石の装飾
旧森田銀行本店の営業室
中に入ると広い空間に欅の1枚板で作られた存在感のあるカウンター。
今日は広々しているけど催事があるときは営業室はいろいろと賑わうらしい。建築好きには催事がないときに広々と眺められてラッキーだった。
うーむ、すごい!
旧森田銀行本店は想像を超える上質な建物で嬉しくなる。
館内に唯一あるイオニア式のオーダーは大理石に見えるけど実は左官職人によるマーブル仕上げ。まさに職人技!天井の漆喰も見事な造り。
館内の豪華な漆喰模様は地元の大工棟梁、四折豊の作。
竹内製造のエンブレム
銀行と言えば金庫。
旧森田銀行本店にあったのは竹内製造の金庫でした。竹内製造は金庫のパイオニアでエンブレムは八咫烏(やたがらす)
扉だけの金庫だったけど車を止めた駐車場が元々は金庫スペースだったとスタッフの方が教えてくれた。
営業室にあるマントルピース。
漆喰で仕上げられた営業室の天井にはアカンサスの彫刻。
1階右奥には重役室
重役室にある大理石のマントルピース。
派手な装飾はないシンプルな造りだけど重役室のアクセントになっている。窓の下の装飾も見逃せない。
階段室
西洋建築の見どころのひとつ。
階段の手すりの細かいところも立派な装飾が施されています。
二階の回廊
当時は頭取がぐるっと歩いていただろう二階の回廊。残念ながら廻れなかったけど天井の漆喰が近くで見れます。
貴賓室
床は木を合わせて作られた寄木張り、腰壁は象嵌(ぞうがん)で作られています。
テーブルや椅子は当時の調度品で大正ロマンの雰囲気がそのままの品のいい部屋になっている。
旧森田銀行本店の洋館手帖
所在地 | 福井県坂井市三国町 |
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公式サイト | 旧森田銀行本店 |
休館日 | 月曜日、年末年始 |
写真撮影 | 撮影可能 |
竣工 | 1922(大正11)年 |
設計 | 山田七五郎 |
文化遺産 | 登録有形文化財(18-0004) |
旧森田銀行本店の見学まとめ
旧森田銀行本店は小さいながらもいいとこが詰まっていました。見どころのある近代建築の建築好きにはオススメです。
館内に見どころマップがあるのでポイントを見逃さずに見学できます。
時間があるときはスタッフに案内をしてもらうといろいろと気がつかないことを教えてもらえそうです。