新潟長岡の蔵元 吉乃川のシリーズ広告「東京新潟物語」
東京新潟物語とは、新潟長岡市にある日本酒の蔵元「吉乃川」が2011年から2019年まで上越新幹線 で展開していた車内広告。東京と新潟を行き来する上越新幹線という空間で越後新潟で生まれ、育った4人の女性を主人公としたシリーズ広告でした。
印象的な写真と女性の心情を表したキャッチコピーで続編を楽しみにしているファンが多い東京新潟物語ですが、広告の掲載終了で吉乃川の公式ページで見るとこができなくなりました。
上越新幹線に乗るたびに新しい東京新潟物語のストーリーが楽しみで広告が見える前方の席に座ったこともありました。
多くの乗客が彼女たちのストーリーを自分に被らせて共感したり、故郷新潟を感慨深く想うステキな広告でした。
このまま見れなくなってしまうのはとても惜しいので4人の女性、それぞれ8つのストーリー(全32シリーズ)をブログにしておきます。
東京新潟物語 全32話
東京新潟物語は、四季ごとに展開された2年間の物語。8つのストーリーが4章で展開されました。
新潟出身の主人公の女性が東京で暮らし、取り巻く環境などの背景が設定されていました。
印象的な写真に東京〜新潟を上越新幹線で行き来するたびに変わっていく女性の心境を描いたキャッチコピーが逸材でした。
ストーリーと共に、東京新潟物語の背景と出演している4人のモデルさんを紹介します。
東京新潟物語 第1章
主人公は、この春東京に就職する女の子。
新潟の日本酒が大好きだけど、東京の男の子の前では少し恥じらってまだ飲んでいない。
雪国の無口で一見頑固な父と、控えめで優しい母。もうすぐ結婚する姉がいる。
出演者/吉本 千紗さん
2011年 春
就職した。
東京の男の子の前では、
まだ飲んでいない。
2011年 夏
東京には、好きになった人がいる。
新潟には、好きだった人がいる。
2011年 秋
親類全員揃う うちの法事を、
東京の人に 説明するのは 大変です。
2011年 冬
東京が晴れた日は、新潟は雪だ。
2012年 春
初めて父と飲んだ。
ちいさい頃から家で
父が飲んでいたお酒だ。
2012年 夏
子供の頃から見ていた 長岡の花火を
見に行かなかった、 初めての夏。
2012年 秋冬
あの人のために 編み始めて、
いつの間にか、新潟の、父のために
編んでいる。
2013年 冬
東京に出たから、 新潟という
かけがえのない 故郷ができた。
東京新潟物語 第2章
越後長岡で育った純粋な女性が、憧れていた東京に就職して暮らす中で、今まで見過ごしていた雪国の自然の純粋さ、家族の繋がりを大切にする温かさ、そしてお酒のすばらしさに気づき、成長していく物語。
出演者/小野あかねさん
2013年 春
東京で 失恋した。
お酒が強くて、よかった。
2013年 夏
帰省した、
幼なじみが お母さんになっていた。
私は、
2013年 秋
告白された。
こんどは、ゆっくり 恋をしようと思う。
2013年 冬
お酒を分けあって 暖かくなる。
雪国の夫婦って いいなあ。
2014年 春
仕事忙しいし お見合いだなんて
帰れないよ。 と、嘘をついた、
2014年 夏
初めて、東京の人を 連れて行くなら、
夏がいい、と 決めていた。
2014年 秋
結婚しようって 言われて、
なによりも先に、浮かんだのは、
故郷の母と 父だった。
2015年 冬
好きな人と 故郷の駅に降りたとき、
私、結婚するんだな と思った。
東京新潟物語 第3章
主人公は、新潟生まれの女性。
東京の男性と結婚して、東京で暮らしています。
第3シリーズは、旦那さんの視点から妻の純粋さや美しさを描きます。
主人公は30歳の女性。
新潟に生まれ、就職を機に上京し、美術館で学芸員の補助として7年勤めました。
一方の旦那さんは、東京に生まれ、出版社に勤める34歳。
妻の同級生が旦那さんの出版社に勤めており、2人は紹介で出会いました。
現在新婚1年目。
結婚を機に、2人は根津の築70年の日本家屋に住み始めます。
古いものを愛し大切にする2人。
家には共通の趣味である本がたくさん並び、読書をしながらお酒を飲むことも。
出演者/国本 綾さん
2015年 春
きのう妻と飲みました。きれいでした。
先に酔ったのは僕です。
2015年 夏
東京の街が、
どこか似合わないきみが、好き。
2015年 秋
ケンカした。妻が消えた。
僕のソファで寝てました。
2015年 冬
酔った彼女は、雪みたいだ。
溶けちゃった。
2016年 春
東京生まれの僕の郷土料理は、
きみが作る新潟料理です。
2016年 夏
長岡の花火の方が大きいよ、
なんて言わない人。
2016年 秋
「転勤です」と言ったら、
「はい」と笑ってくれたきみが好き。
2017年 冬
ずーっと一緒に歩いていきたいと、
今も思っている幸せ。
東京新潟物語 第4章
主人公は、新潟で育んだ『前向きな純粋さ』をもつ明るい女の子。
東京-新潟を行き来しながら、夢に向かって成長していく物語です。
第4シリーズの主人公は、新潟の大学院を出たばかりの建築家志望。
期待を胸に上京した彼女は、松陰神社前にあるアパートで一人暮らしをしながら、
表参道の建築事務所に勤めています。
時折、故郷の新潟に思いを寄せながらも、「一人前の建築家になる」夢に向かっていく姿を描きます。
2017年 春
東京に来た日
よし 頑張るぞと、
一人で乾杯した。
2017年 夏
仕事が 好きだ。
東京には、なかなか 詳しく ならない。
2017年 秋
東京と新潟。
ふたり、何してるか
知らない日が 増えていく。
2017年 冬
東京に出た人、 新潟に残った人。
違う道を 歩いていく友達が
勇気をくれます。
2018年 春
失敗を聞いてもらうと、
ぜんぶ消えていきました。
きょう、大人のお酒を 知りました。
2018年 夏
遠距離恋愛も いいな。
離れていると、本当に好きだと
わかるから。
2018年 秋
同期が辞める。
東京で、一つの夢を
見続けるのは 難しいですか。
2019年 冬
帰省から 東京に戻る日は
もう一度 初心に帰って 上京する日。
うまいお酒は吉乃川
吉乃川酒造は、歴史のある酒蔵。当時のコピーで「私の故郷には、460年続く蔵があります。」とあるように古くから新潟長岡で醸造してきた蔵元。
吉乃川酒造は小さい頃から身近な存在で吉本 千紗さんが犬を散歩させている緑の壁面(2013年 冬のロケ地)を毎日、通っていたし、部屋の窓から吉乃川のネオン看板も見てました。お酒が飲める歳になった頃から東京で暮らしているので新幹線の車内広告の東京新潟物語に共感することもありました。
新潟長岡で有名なのが長岡まつり大花火大会。
吉乃川酒造は正三尺玉のスポンサーで毎年、サイレンのと共に大迫力な花火を打ち上げてくれています。
吉乃川酒造の看板
東京から新潟に向かう上越新幹線で長岡駅へもうすぐ到着のアナウンスが流れる頃に左側の車窓を見ていると吉乃川酒造の看板を見ることができます。
うまいお酒は吉乃川
いつの日からかどこかで聞いて今も忘れないこのフレーズ。
気取らず奮発しなくても、いつものうまい酒が吉乃川。日本酒を飲むあなたはもちろん、苦手なあなたも一度は飲んでもらいたい銘柄です。