アールヌーヴォー建築の傑作、辰野金吾が設計した旧松本邸(西日本工業倶楽部)の一般公開

近代建築 / 近代化遺産

重要文化財 旧松本健次郎邸(西日本工業倶楽部) 一般公開

北九州市の結婚式場である西日本工業倶楽部。

100年の歴史がある旧松本健次郎邸で重要文化財に指定されている建物。
西日本工業倶楽部が年に数回、一般公開している。

旧松本邸は、地元で石炭業で成功した実業家松本健次郎が住宅と迎賓館を兼ねて建てた洋館で外観・室内の意匠がアール・ヌーボー様式でデザインされている。家具までアール・ヌーボーで製作されてた一貫した設計が珍しい。洋館を設計したのは辰野金吾。東京駅や日本銀行などを設計した明治を代表する名建築家。

なんとなく耳にしたことがあるアールヌーヴォーをウィキペディアで調べてみた。
アールヌーヴォーとは曲線を多用した様式で円弧がデザインのモチーフになっているデザイン。いろんな洋館を見てきたけどアールヌーヴォー様式は初めて。

2010年の一般公開

旧松本家住宅を正面から。
辰野金吾と言えば赤煉瓦なんだけど濃緑が鮮やかなハーフティンバーな外観。今までの辰野金吾とは全然違うので楽しみ。

中に入る前に裏手に回ってみた。こっちも素晴らしい。

庭園の緑と洋館のグリーンが調和して落ち着いた雰囲気。

館内に入ると曲線が多用されたデザインの数々。
こちらは応接室で木をふんだんに使っている温かい雰囲気。腰壁はかなり高く吸音効果がありそうだ。

ダイニングルーム
曲線が多用されたアール・ヌーヴォーな部屋はシンメトリーな造りになっていてとても美しい。

食器には松本健次郎のイニシャルKM。

階段室は和田三造デザインのタペストリーとステンドグラス。
階段の親柱の装飾は飾り気はないが小気味良い作り。

3枚並んだステンドグラスが洋館の華やかさを演出している。

シンプルな2階は、用度品が展示されていた。

洋館を楽しむポイントのひとつが照明のデザイン。和の天井に洋がうまく調和された照明になっていた。

豪華絢爛な和室。
意外とマントルピースがあっても違和感がなくまとまってる。

陽の光をたっぷりと取り込んでとても明るい。

棟札(むなふだ)には辰野金吾と片岡安のコンビ名がしっかりと残ってる。

2階で見つけたアール・ヌーヴォー。
照明のとこがアール・ヌーヴォーデザインだった。

マントルピースにはTOBATAの刻印レンガ。地元の戸畑耐火煉瓦製造のレンガ!?

マントルピースの装飾。

1階の大ホールに鎮座するアール・ヌーヴォーなマントルピース。
旧松本邸の中で一番豪華なマントルピース、すごいゴツくて存在感ありまくる。コンサートの椅子が前に置いてあって正面からうまく撮れなかったのが残念。

一番ステキだった書斎。
書籍棚とマントルピースの曲線っぷりが絶妙なバランスでまとまっている。上にある鏡が部屋に広がりを持たせてくれていい感じ。

出入口の扉の装飾と見事なアール・ヌーボー装飾。

アール・ヌーヴォーを知らないまま見学したので見終わっても「なんかすごいステキ!」て終わってしまったんだけど、今までたくさん見てきた辰野金吾の建築とはぜんぜん違ってた。新しい一面を見れた気がしてとても楽しかった。旧松本邸はずーっと見たかった建築なので感激した。

洋館好きにはもちろんそうでなくてもなんかステキと思える洋館だから機会があったら是非とも見学してほしい。見学できるのは年に数回の一般公開を逃さないように西日本工業倶楽部をチェックしておこう。

2020年の一般公開

今年は4月29日に開催。
公開についての詳細や申し込み方法は公式サイトで。

【申込終了しました】 国指定重要文化財「旧松本家住宅」特別公開
北九州市ホームページです。

 

旧松本健次郎邸(西日本工業倶楽部) の一般公開メモ

  • 説明パネル
    洋館でよく見かける説明パネル。撮影ポイントからちょっとだけ端にズラしてほしい。
    どまんなかにパネルを置かれるとひたすら読み続ける人が続出で写真撮りにはヤレヤレ…。
  • 明るいレンズ
    館内は結構薄暗い。レトロな雰囲気でいいんだけど手ブレちゃう。なるべく明るいレンズがいい。
  • 広角レンズ
    標準レンズだと収まりきらないところ多々。広角レンズがあると便利
  • ハシゴしよう
    福岡市にある旧日本生命保険株式会社九州支店(福岡市赤煉瓦文化館)も辰野金吾の設計。合わせて見に行きたい。

 

 

見に行ける 西洋建築歴史さんぽ
世界文化社

北は北海道、南は鹿児島まで。「読む」西洋建築のガイド本です。
威厳ある官公庁や、レトロな小学校、往時の雰囲気が残るホテル、ため息の出るような美しさの洋館…。竣工時の時代背景、施主やその地域の人々の様子など、ニッポンの近代化の舞台となった西洋建築にひそむ逸話や物語を語りつくします。

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